○鑑定コラム



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103)北欧の家具

 イルムスは北欧の高級雑貨、家具会社である。デンマーク王室の御用達のブランドであるためか、日本にもイルムス家具のファンは多い。
 シンプルで暖かみのある家具調度品として人気がある。

 日本にあるデンマーク大使館が、大使館商務部のホームページに、デンマークの家具の宣伝を行っているのには恐れいる。日本で北欧家具が買える店舗名を列記している。

 デンマークにある日本の大使館が、ソニーの電気製品や、トヨタの自動車の宣伝、そしてその販売店の紹介をホームぺージで行っているかどうか。私は知らないが、恐らくやっていないであろう。
 アメリカの州知事が、日本企業へ州への企業進出のセールスにくるという話も耳にすると、彼我の大使館の考え方の違いを感じざるを得ない。

 イルムスの製品の日本への輸入販売を行っている会社として、イルムスジャパンという会社がある。
   西武百貨店の子会社であるが、その株式の85%を商事会社の伊藤忠商事が譲り受けたと発表した。(日経 2003年5月2日)
 譲渡価格は約5億円である。

 イルムスジャパンの年間売上高は約14億円で、西武百貨店の池袋店、東戸塚店、そごうの横浜店の3店を引き継ぐという。
 株式の85%の譲渡であるから、それに対する売上高は、
           14億円×0.85=11.9億円
ということになる。

 家具小売業の売上高対営業利益率は、中小企業庁発表によれば2.2%(標準偏差1.6)である。
 この利益率を採用すると、イルムスジャパンの利益は、
           11.9億円×0.022=0.26億円
である。
 5%の還元利回りとすると、
            0.26÷0.05=5.2億円
となる。
 伊藤忠商事の購入価額5億円に近い数字が得られる。

   輸入家具雑貨会社の企業売買利回りは、5%と考えてよいのであろうか。あるいは、これは特別な割合であろうか。
 5%の中にはイルムスというブランドの価値も入っていると思われる。

 5%の利回りは、20年かかっての投下資本の回収である。
 いささか回収期間が長すぎるのではないかと思われるが。
 商売のプロの集団の日本を代表する商事会社の1つの企業が、採算を度外視して行動するとは思えないことから、5%が輸入代理店企業の買収価格利回りであるのであろうか。
 データを蓄積して検討する必要はある。

 我が家には、北欧の高級なイルムスの家具などもちろんない。
 しかし、日本にはイルムスファンが多いことから、高級マンションの中にはイルムスの家具調度品が取り入れられている場合がある。
 どれがイルムスの製品なのか、建物の価格を査定する時には、ある程度はその知識を持っていなければならないであろう。

 デンマーク大使館のホームぺージを見て、イルムス製品を販売している店を知り、店を訪ねて製品の知識を得ていなければならない。
 それはあたかも住宅展示場に行って、桐が床材に使われていることを知って驚いたごとく。
 不動産鑑定も大変な仕事だ。


  鑑定コラム396)「マイナス17度Cの街から」


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