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1214)稲作より太陽光発電貸地の方が収入大

 平成25年の田の10a(1反)当りの収穫量は、539kgと農林水産省は発表した。

 1俵は60kgであるから、俵に換算した反当りの収穫量は、

            539
       ─────   = 8.98俵                                     
            60

である。9俵である。

 農林水産省発表のコメ60kgの卸業者間相対取引価格は、

     
          平成26年3月   14,449円

である。

 農林水産省発表の各地の卸業者間相対取引コメ価格は、下記の一覧表のとおりである。


銘柄米  コメ相対取引  60kg 円          
産地 銘柄 地域 2014年1月 2014年2月 2014年3月
           
北海道 ななつぼし   14006 14011 13941
北海道 きらら397   14241 13913 13799
北海道 ゆめぴりか   17450 17381 17121
青森 まっしぐら   12262 13215 12891
青森 つがるロマン   12942 13293 13216
岩手 ひとめぼれ   14290 14457 14274
岩手 あきたこまち   14246 14207 14089
宮城 ひとめぼれ   14320 14438 14269
秋田 あきたこまち   14513 14280 14396
秋田 ひとめぼれ   12926 13472 13190
山形 はえぬき   13457 13732 13661
山形 つや姫   17264 16673 16672
山形 ひとめぼれ   14631 14041 15945
福島 コシヒカリ 中通り 12892 12877 13381
福島 コシヒカリ 会津 15582 15458 15220
福島 ひとめぼれ   13080 12891 13472
茨城 コシヒカリ   14253 14301 13926
栃木 コシヒカリ   14705 14286 13929
栃木 あさひの夢     13323 13286
埼玉 コシヒカリ     15381 15763
千葉 コシヒカリ   14297 14000 13823
千葉 ふさこがね   13128 12931 13028
千葉 ふさおとめ   13288 13302 13148
長野 コシヒカリ   15332 15130 14991
長野 あきたこまち   14431 14010 14024
新潟 コシヒカリ 一般 16569 16573 16571
新潟 コシヒカリ 魚沼 20504 20864 20780
新潟 コシヒカリ 佐渡 17017 17038 16945
新潟 こしいぶき   14216 14080 14227
富山 コシヒカリ   15154 15080 14872
石川 コシヒカリ   15006 14547 15136
福井 コシヒカリ   15220 14940 14717
岐阜 ハツシモ   14603 14144 14579
三重 コシヒカリ 一般 14715 14604 14136
三重 コシヒカリ 伊賀   15033 14565
三重 キヌヒカリ     13672 13077
滋賀 コシヒカリ   15606 14792 15091
滋賀 キヌヒカリ     13990 14016
滋賀 日本晴     14190 13817
兵庫 コシヒカリ   15571 15630 15402
島根 コシヒカリ   15173 15148 15133
島根 きぬむすめ     14372 14089
山口 コシヒカリ   14806 14669 14634
徳島 コシヒカリ   14472 14340 14131
愛媛 コシヒカリ     14935 14694
愛媛 ヒノヒカリ     14367 14023
愛媛 あきたこまち     14216 14047
福岡 ヒノヒカリ   15247 15045 15032
福岡 夢つくし   16665 16604 16461
熊本 ヒノヒカリ   14426 14606 14457
           
平均価格(注)     14534 14501 14449


 (注) この平均価格は、農林水産省発表数値であり、表示の銘柄米の価格を単純平均したものでは無い。加重平均である。

 田1反当りの収入は、

          14,449円×8.98俵=129,752円≒129,800円

である。

 1反は10aであり、それは1,000uである。

 田の1u当り収入は、

            129,800円
          ────── = 129.8円 ≒ 130円                       
              1,000u

130円である。

 この収入は1年間の稲作による収入である。

 太陽光発電の貸地料は、鑑定コラム1208)「太陽光発電の地代は売上高の11%」で、u当り320円と分析された。

 まとめると、

            稲作の収入         1u当り130円
            太陽光発電貸地料            1u当り320円

である。

 1年間稲作りのために一所懸命働いて、その稲作の収入が土地1u当り130円である。

 土地を太陽光発電の土地に貸したら1年間でu当り320円の収入が得られる。

 どちらの方が収入が良いのか改めて書かなくとも良いであろう。

 日本人一人当り1年間に食べるコメの量はドンドン減少している。
 下記の数値は農林水産省の発表数値である。

     昭和37年度    118.3kg
        昭和40年度    111.7kg
        昭和45年度     95.1kg
        昭和50年度     88.0kg
        昭和55年度     78.9kg
        昭和60年度     74.6kg

平成02年度     70.0kg 平成07年度     67.8kg 平成08年度     67.3kg 平成09年度     66.7kg 平成10年度     65.2kg
平成11年度     65.2kg 平成12年度     64.6kg 平成13年度     63.6kg 平成14年度     62.7kg 平成15年度     61.9kg
平成16年度     61.5kg 平成17年度     61.4kg 平成18年度     61.0kg 平成19年度     61.4kg 平成20年度     59.0kg
平成21年度     58.3kg 平成22年度     59.5kg 平成23年度     57.8kg 平成24年度     56.3kg

 コメの消費量が減っているに伴い、コメの生産量も減っている。
 農林水産省の発表によるコメの生産量は、下記である。


  千トン
昭和35年度 12858
36 12419
37 13009
38 12812
39 12584
40 12409
41 12745
42 14453
43 14449
44 14003
45 12689
46 10887
47 11897
48 12149
49 12292
50 13165
51 11772
52 13095
53 12589
54 11958
55 9751
56 10259
57 10270
58 10366
59 11878
60 11662
61 11647
62 10627
63 9935
平成元年度 10347
2 10499
3 9604
4 10573
5 7834
6 11981
7 10748
8 10344
9 10025
10 8960
11 9175
12 9490
13 9057
14 8889
15 7792
16 8730
17 8998
18 8556
19 8714
20 8823
21 8474
22 8554
23 8566
24 8692


 最も生産量が多かったのは、昭和42年(1967年)の14,453千トン(1445万トン)である。

 平成24年の生産量は869万トンである。

 米の出来が悪くなって生産量が減ったのではない。
 米の反当りの生産高は増えている。

 では何故生産量が落ちたのかと言えば、休耕田の増加が最大の要因である。 宅地転用による減少もあろうが、それよりか減反政策による休耕田の増加が耕作田の減少の最大の原因であろう。

 農林水産省発表の田(本地)の耕作面積は下記である。

          昭和31年     3,088,000ha
          昭和42年     3,178,000ha
          昭和43年     3,198,000ha
          昭和44年     3,204,000ha
          昭和49年     2,994,000ha

平成元年 2,692,000ha 平成15年 2,440,000ha 平成20年 2,373,000ha 平成21年 2,364,000ha 平成22年 2,355,000ha
平成23年 2,334,000ha 平成24年 2,329,000ha

 耕作田の最高面積は、昭和44年(1969年)の320万ヘクタールである。
 平成24年は、232万ヘクタールである。

 田の耕作面積は、

                    232
                 ──── = 0.725                                 
                    320

最高時より88万ヘクタールの減少である。率にすると約28%の減少である。

 一体農林水産省は、日本農業を今後どういう方向に持って行こうとしているのか。
 それは、過去何年間も問われ、いわれ続け、策無く現在までずるずる来ている。不作為の作為かもしれない。

 農業振興地域の田の農地以外の転用は、殆ど許可されない。
 そういう政策と食料安保の脅しの屁理屈の上にあぐらをかいているようである。
 休耕田にして放置していても仕方なかろう。

 稲作の収入よりも太陽光発電貸地料の方が、収入が3倍も多いということになると、農業政策を根本的に考え直す必要があろう。


  鑑定コラム1208)
「太陽光発電の地代は売上高の11%」



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