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1284)リートの事務所の還元利回りは4.2%

 Jリートの事務所の還元利回りはどれ程か調べて見た。

 多くの賃貸事務所ビルが、Jリートの所有物件になっている。
 その全てを調べることは大変である。

 都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)に限定する。
 それでも数が多い。

 日本の不動産業者を代表する三井不動産系のJリート投資法人である日本ビルファンドの所有物件に絞ることにした。

 それで十分目的は、達せられると思われる。

 日本ビルファンドの平成26年6月期と、平成25年6月期の決算関連の書類から、発表されている還元利回りを取り出してみた。

 都心5区に所在する33事務所ビルの還元利回りの範囲は、

    平成26年6月期      3.7%〜4.9%
    平成25年6月期      3.8%〜5.0%

である。

 平均の還元利回りは、

    平成26年6月期      4.2%
    平成25年6月期      4.4%

である。

 現在の都心事務所ビルの還元利回りは、4.2%であるようだ。

 区別の還元利回りは、下記である。

                       26年6月        25年6月

    千代田区    4.1%     4.4% 中央区 4.3% 4.5% 港区 4.1% 4.3% 新宿区 4.3% 4.5% 渋谷区 4.1% 4.3%

 但し、この還元利回りは、下記算式によって求められている還元利回りである。

                 NOI純収益
             ────────  = Jリートの還元利回り              
                鑑定評価額

 分母の鑑定評価額は、土地建物の価格ではあるが、その価格の種類は積算価格では無く、収益価格である。

 それ故、Jリートの還元利回りを、家賃評価の期待利回りに採用することは、不可であり、間違いである。

 このことについては、以前発表した鑑定コラム1104)「Jリートの還元利回りは賃料評価の期待利回りにはならない」で記した。

 下記に分析データ一覧を記す。


ビル名 所在区 平成26年6月%a 平成25年6月%b 差 a-b
NBF日比谷ビル 千代田区 3.7 3.9 -0.2
西新宿三井ビルディング 新宿区 4.2 4.4 -0.2
三菱重工ビル 港区 3.8 4.0 -0.2
芝NBFタワー 港区 4.1 4.3 -0.2
NBFプラチナタワー 港区 4.1 4.3 -0.2
NBF南青山ビル 港区 3.8 3.9 -0.1
NBFコモディオ汐留 港区 4.1 4.3 -0.2
虎ノ門琴平タワー 港区 3.8 4.0 -0.2
セレスティン芝三井ビルディング 港区 4.2 4.4 -0.2
NBF御茶ノ水ビル 千代田区 3.9 4.3 -0.4
NBF渋谷ガーデンフロント 渋谷区 3.8 4.0 -0.2
NBF銀座通りビル 中央区 3.7 3.8 -0.1
新宿三井ビルディング二号館 新宿区 4.2 4.4 -0.2
GSKビル 渋谷区 4.5 4.5 0.0
リバーシティM-SQUARE 中央区 4.5 4.7 -0.2
NBF虎ノ門ビル 港区 3.9 4.1 -0.2
興和西新橋ビルB棟 港区 4.0 4.2 -0.2
NBF新川ビル 西館 中央区 4.7 4.9 -0.2
NBF新川ビル 東館 中央区 4.8 5.0 -0.2
新橋M-SQUARE 港区 3.8 4.0 -0.2
NBF ALLIANCE 港区 3.8 4.0 -0.2
四谷メディカルビル 新宿区 4.6 4.8 -0.2
NBF渋谷イースト 渋谷区 4.1 4.3 -0.2
NBF芝公園ビル 港区 4.5 4.7 -0.2
NBF高輪ビル 港区 4.9 5.1 -0.2
NBF赤坂山王スクエア 港区 4.0 4.1 -0.1
NBF芝公園大門通りビル 港区 4.3 4.5 -0.2
住友電設ビル 港区 4.6 4.8 -0.2
NBF東銀座スクエア 中央区 4.2 4.4 -0.2
パナソニック東京汐留ビル 港区 3.9 4.1 -0.2
NBF小川町ビル 千代田区 4.2 4.4 -0.2
日本橋兜町M-SQUARE 中央区 4.1 4.3 -0.2
龍角散ビル 千代田区 4.6 4.8 -0.2
平均   4.2 4.4 -0.2

    (2014年11月27日開催の田原塾11月会の講話録に一部加筆して)


  鑑定コラム1104)
「Jリートの還元利回りは賃料評価の期待利回りにはならない」

  鑑定コラム1202)「不動産ファンド運営会社の戸惑い」

  鑑定コラム1286)「還元利回り0.2%の下落は、地価4.5%の上昇」


  

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