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1363)帝国ホテルの1室料金(平成27年3月)

 帝国ホテルの2015年(平成27年)3月期決算が発表された。

 同期の帝国ホテル本社のホテル1室料金は、いかほどであろうか。

 『第174期定時株主総会招集ご通知添付書類事業報告』という書類の中に、数値が記載されている。

 同書類の「帝国ホテル本社」のホテル状況の説明の中に、次のごとく記載されていた。

           客室売上高     8,507百万円
           稼働率                81.7%
           1室単価            30,658円

 1室単価は、30,658円と記してある。
 計算しなくてもホテル側から発表されている。

 しかし検証してみる必要があり、計算してみる。

 帝国ホテルの本社の客室数は931室である。

 稼働率は81.7%とあるが、同期の有価証券報告書では、収容能力の客室数と実績客室数が発表されており、その数値からより詳しく稼働率の数値を求める。

            収容能力     339,815室
            収容実績     277,495室

 これより客室稼働率は、

         収容実績    277,495室
       ───────────── = 0.8166                        
         収容能力   339,815室

0.8166である。

           931室×0.8166=760.25室

が稼働室数である。

 1室の年間売上高は、

          8,507,000,000円÷760.25室=11,189,740円

である。

 1室の一日の売上高は、

          11,189,740円÷365日=30,657円

30,657円である。これが1室料金である。

 帝国ホテル側発表の30,658円との1円の差は、売上高の百万円以下の端数処理の違いによるものと思われる。30,658円は適正な数値であるとわかった。

 平成27年3月期の帝国ホテル本社のホテル1室料金は、

                   30,658円

である。

 過去の帝国ホテル本社のホテルの1室料金を記すと、下記である。

          平成21年3月期     32,600円
          平成22年3月期     28,400円
          平成23年3月期     25,700円
          平成24年3月期     26,300円
          平成25年3月期     28,487円
          平成26年3月期     28,405円
          平成27年3月期     30,658円

 平成26年3月期の一室料金と較べると、

                    30,658円
                  ────── = 1.079                            
                    28,405円

7.9%即ち約8%の室料のアップである。約8%の値上りは大きい。

 帝国ホテルの平成27年3月期の決算短信のコメントで、同期の客室料金が値上りしたと述べているが、その通りである。約8%値上りしている。

 客室稼働率が平成26年3月期は82.9%であったが、平成27年3月期は81.7%と1.2ポイント下がった。

 この客室稼働率の低下による収入減は、室料の約8%の値上りで吸収されて、余りは充分ある。

 室料は上がったが、帝国ホテル本社のホテル1室料金は、平成21年3月期の水準までには戻っていない。


  鑑定コラム1219)
「帝国ホテルの1室料金は」

  鑑定コラム1360)「帝国ホテル営業利益率7.2%(平成27年3月期)」

  鑑定コラム1481)「600億円のホテル売買」

  鑑定コラム1513)「帝国ホテルの1室料金は34,357円(平成28年3月)」


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