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1550)平成10年465万円、平成27年420万円

 国税庁が、2016年9月28日に『平成27年分民間給与実態統計調査』を発表した。

 平成27年分(以下「分」を省略する)の民間事業所の従業員平均給与は、420.4万円である。

 平成26年は、415.0万円であった。

 1年前より、

             420.4
          ───── = 1.013                                      
             415.0

1.3%の増加である。

 14業種の従業員の平均給与額と対前年比は、下記である。

      業種                          平均給与           対前年比

   建設業            4,679千円 1.7% 製造業 4,897 0.4 卸売業・小売業 3,583 1.2 宿泊業・飲食サービス業 2,362 ▲0.3 金融業・保険業 6,392 4.9
不動産業・物品賃貸業 4,241 2.0 電気・ガス・熱供給・水道業  7,154 9.2   運輸業・郵便業 4,141 ▲0.5 情報通信業 5,751 ▲2.9 医療、福祉 3,880 2.3
学術研究、専門技術、教育等 5,008 ▲1.3 複合サービス事業 4,248 9.6    サービス業          3,453 1.1 農林水産・鉱業 3,064 5.7 平均 4,204 1.3

 不動産業は、424.1万円である。ほぼ平均給与額である。

 平成20年の不動産業の平均給与額は、377万円であった。(鑑定コラム595)「平成20年の給与は430万円」)

 不動産業の平均給与は、7年間で14%アップしている。これはリートバブルの影響か。

 過去の14業種の従業員給与額を記せば、下記である。

    平成10年      4,648千円
        平成11年      4,613
        平成12年      4,610
        平成13年      4,540
        平成14年      4,478
        平成15年      4,439
        平成16年      4,388
        平成17年      4,368
        平成18年      4,349
        平成19年      4,372
        平成20年      4,296
        平成21年      4,059
        平成22年      4,120
        平成23年      4,090
        平成24年      4,080
        平成25年      4,136
        平成26年      4,150
        平成27年      4,204

 平成10年は464.8万円である。それ以降給与は下がる一方である。

 平成21年405.9万円まで下がり、その金額を底にして、増加し始める。

 平成27年には、420.4万円まで回復したが、平成10年の465万円には遠く及ばない。

 平成27年の給与者数は、4794万人である。

 給与総額は、201兆5347億円である。

 所得税納税額は、8兆8407億円である。

 給与額に占める所得税納付額は、4.39%である。

 平成27年12月支出側の国内総生産(名目)は、499兆8066億円である。

 国内総生産に占める民間給与額の割合は、

                      201兆5347億円
                  ───────── = 0.403                       
                      499兆8066億円

40.3%である。

 目につく給与の格差を見てみると、以下のとおりである。

 イ、男女の賃金格差

      男子       521万円
      女子       276万円

 ロ、正規、非正規雇用による差

 
      正規       485万円
      非正規      171万円

 ハ、事業所規模による差

      従業員10人未満  337万円
      従業員5000人以上 503万円

 ニ、業種による差

      電気・ガス・熱供給・水道業   715万円
      宿泊業、飲食サービス業     236万円
     
 安倍内閣が日本の景気を良くするために、財界に向かって社員の給与を上げよとお願いしているのは、国内総生産の約60%を消費が占めるためである。

 消費を増やせば、国内総生産は増え、景気は良くなる。

 消費の源泉となるのは賃金であるから、賃金が増えなければ消費は増えない。 そのために、安倍内閣は、財界に社員の給与を上げよと云っているのである。

 財界に向かって従業員の給与を上げよと云っても、財界幹部は従業員5000人以上の企業の経営者であろうから、そこの給与は既に高くなっており、高くすることは無理であろう。

 給与アップの目を向けるべき先は、小規模、女性、非正規雇用、宿泊業・飲食業で働く人々の給与であろう。

 「富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が滴り落ちる(トリクルダウンする)」という理論、即ち大企業に働く人々の給与が上がれば、小規模の企業に働く人々の給与も上がるというトリクルダウン理論は否定されている。

 最低賃金をアップすれば良いではないかと云う理論が当然出て来るが、果たして最低賃金をアップするだけで賃金体系が大きく変わるであろうか。

 最低賃金のアップは必要である。しかしそれが平均給与を低くしている原因ではない。

 フルタイムで働いても低賃金しか得ることが出来ない低賃金層の人々の賃金アップの対策が必要であろう。

 フルタイムで働いて年収150万円以下の給与層の賃金大幅アップである。

 それをするには、どうするべきか。

 日本の経済学者ょ、アメリカの経済理論の受け売りをするだけでなく、どうすれば年収150万円以下の給与層の賃金の大幅アップが出来、消費が活性化され、国内総生産が上がるか理論発表せょ。

 構造改革が必要であれば、どういう構造改革であれば良いのか。


  鑑定コラム595)
「平成20年の給与は430万円」


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