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181)オリンピック報道に追いやられたイチローの大記録樹立の瞬間

 堅苦しい話から、ときたまの息抜きを。
 アテネオリンピックも2004年8月で終わった。
 日本の選手も多くの金メダルを獲得し、国民の一人として活躍した選手の功績を称えたい。

 マラトンの丘から、ギリシャ軍の勝利をアテネ市民に伝えるために走り抜き、市民に勝利を伝えると息絶えた古代ギリシャ戦士の命を懸けて走ったことを称えてマラソン競技が出来たと聞く。

 そのマラトンの丘より、起伏有る道を走り、古代ギリシアで古代オリンピックが行われた競技場に、先頭を切って走りこんできた小さい体の女性の野口みずきの金メダルには、心からその栄誉を称えたい。

 もう一つ、水泳の自由形で日本に初めて金メダルをもたらした、これまた女性の柴田亜衣の活躍も称えたい。
 水泳日本と言われながらも、自由形では男女とも一度も金メダルは無い。
 数多くのスイミングクラブが日本にはあるのにもかかわらず、100メートル自由形に至っては、オリンピックの出場エントリーすら出来ない。
 その水泳界に有っての自由形での金メダルである。すばらしい快挙である。
 これがきっかけになって、いつの日か水泳の花形である100メートル自由形で、表彰式の真ん中に日の丸の旗がはためくことを願う。

 来る日も来る日も、朝から晩までオリンピック競技のテレビ放送ばかりである。
 そのあおりを食って、いつもはNHKの衛星放送がアメリカ大リーグの生放送を行っていたが、その大リーグの野球放送は吹き飛ばされてしまった。

 マリナーズのイチローはどうしているのだろうかと、インターネットでの大リーグ情報を見て、結果を知るのみである。

 オリンピック大会で報道されない間に、イチローは大リーグ記録を塗り替える大記録を次々と作っていた。
 大リーグ新人4年間連続200本安打、3回目の月間50本安打等である。
 これら記録は、大リーグの監督、コーチに言わせると、大リーグの50年間の中で2,3人の人しか達成出来ない偉業であると言う。

 新人4年間200本安打の歴史的一打は、ホームランで達成した。
 その歴史が作られる瞬間を、テレビとはいえ同時間の生放送で歴史の決定的瞬間に立ちあい、その感激を味わいたかった。

 しかし、オリンピック競技放送中心の番組編成であっては、その様な個人的な願望は通じない。

 現在イチローは、233本(2004年9月17日現在)の安打で、なおも年間最多安打の大リーグ記録257本に、あと24本と挑戦しつつある。残り試合16ゲームである。
 イチロー頑張れと声援を送りたいが、今迄いとも簡単に1試合に3本のヒットを打っていたのに、1本のヒットすら打つことが難しくなりつつある。

 年間160試合という試合数の多さからの疲労もあるが、優勝を争うチームとの対戦が多くなり、イチローには絶対にヒットを打たせないという大リーガー投手の意気込みが有る。

 レッドソックスのリーグ1,2を争う好投手のカート・シリング投手は、はっきりという。
 「チームが勝つこと、そしてイチローを討ち取ることが自分の与えられた最大の使命」
と言う。カート・シリングに対して、イチローは4-0に終わってしまった。

 かって、チームの同僚が、
 「捕手の前にヒットを打つすごい奴が、日本からやってきた。」
と舌を巻いていた。
 時速155キロメートルの速球を、その勢いを全く殺して捕手の前にヒットを打つ芸当は、通常の打者に出来るものではない。
 その速球のボールがバットに当たれば、打球は当りそこねで内野ゴロ、真芯に当たれば、A・ロッドや マニー・ラミレスならばホームランとなる。

 イチローは、時速155キロメートルのスピードボールの上面をフルスイングして意識して叩く。叩くと言うのでなく、むしろバットでボールの上面を切ると言ったほうが良いかもしれない。バットに切られるごとく当たったボールは、スピンを掛けられて球速が殺され、捕手前のフェアグランドを不規則にバウンドしながら転々する。

 予想もしていない打球の行方に捕手はあわて、捕球行為が遅れ、一塁に送球するが、その時には、打者のイチローは一塁ベースを駆け抜けている。

 見ている人は、イチローの打撃技術と走るスピードの速さにただ唖然とするばかりである。
 ニューヨークタイムスのスポーツ記者が、イチローが大リーガーの新人としてヤンキースと初めて戦ったとき、殆どの打者が空振りするアウトコースの低めの変化球を鮮やかにセンターに打ち返してヒットにするバッティングを見て、「ハンド・アイ」と報じた。私はその表現より「バット・アイ」の方が適していると思うが。そしてイチローがすばらしい打撃技術を持っていることを、僅かヤンキースとの一戦で見抜き、イチローを高く評価した。打者の打撃技術の能力を見抜くスポーツ記者がいたことこそ驚きである。
 野球の国アメリカの凄さを感じた。

 イチローは尊敬し、イチローの目から見てすばらしいと思う投手の名前を挙げたことが有る。
 ロジャー・クレメンス、ペドロ・マルチネス、ランデイ・ジョンソンそして押さえのマリアーノ・リベラであった。
 イチローが新人の時のヤンキースには先発投手の大黒柱としてクレメンスがおり、ヤンキースの全盛期を築いたペティートとムッシーナ、そして押さえのリベラがいた。

 そしてもう一人、私が大リーグの中で最も好きな投手のローランド・フェルナンデスがいた。
 キューバからの脱出投手である。
 現在は全盛期を過ぎてはいるが、黒いストックキングを膝までたくしあげ、その左足を折って膝を胸高くまで引き上げ、背中を丸めて右一本足でマウンドに立ちボールを投げおろす投球スタイルは、絵になるフォームである。私はその投球フォームが目に焼き付き、魅せられてしまった。

 それら常勝ヤンキースの投手陣が、打者の欠点をついて三振の山を築いていたヤンキース投手に対して、三振をせず、アウトコース低めの変化球をヒットにするイチローの打撃が、ニューヨークタイムスのスポーツ記者にとって、この打者はただ者では無いと映ったのであろうか。

 イチローは、現在アメリカンリーグの打率部門の首位打者である。打率は3割6歩9厘でダントツの一位である。
 ナショナルリーグは、ジャイアンツのボンズが首位打者で、打率は3割7歩4厘である。こちらもダントツの一位である。
 ボンズは首位打者よりホームラン王がふさわしい。不滅のホームラン王であるベーブルースのホームラン数に、今迫ろうとしている。しかし、投手は対決を避けて敬遠の四球ばかりである。ドジャースの野茂投手もボンズからフォークボールで良く三振を取るが、ストライクを取りに行ったストレートを、ボンズに確実に捉えられてよくホームランされている。


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