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1930)女の感情の綾を見事に描き出す優れた女性著述家

 柴門ふみという漫画家であり、エッセイストがいる。

 その柴門ふみ氏が、日本経済新聞夕刊の『あすへの話題』というコラム欄に、2019年5月31日に「強調しない反復しない」の題でコラムを書いている。

 柴門ふみ氏の30年来の女の友人が、夫は、「嫌なこと面倒なことはすべて私に押しつける」とこぼすと記す。

 その面倒なことは何かと問えば、「郵便物をポストに入れるのを面倒くさがって妻にいつも押しつける」ということのようである。

 柴門氏から見れば、友人の夫は、郵便物の投函よりも面倒くさい家族旅行の手配やレストランの予約などをいつも行っている。

 端から見れば、家族旅行の手配の方が、郵便物の投函よりも遙かに面倒であるのに、友人は、郵便物の投函が面倒なことであり、夫は面倒な郵便物の投函を私にさせている。つまり面倒なことを私に押しつけているという思い込みの思考過程である。
  
 こうした思考過程について、柴門氏は、次のごとく述べる。

 「不満を言葉にして繰り返すと、それがあたかも真実のように脳に付着してしまうことがある。特に、<すべて><いつも>といった強調の副詞は、物事をどんどん真実から遠ざけてしまうので気をつけなければいけない。」

 そして柴門氏は、「怒りにまかせた感情的な言葉を言葉にしてはいけない。」そういう「感情が一瞬浮かんだとしても、言葉にする前に忘れることだ。」と締めくくる。

 女性の心の襞に潜む感情の綾を見事に描き出す優れた女性の著述家である。


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「見抜かれている日本人の行動」


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