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2133)丸ビルの土地還元利回りは1.7%(2020年3月)

 2020年3月の丸ビルの償却後総合還元利回りは、鑑定コラム2123)で1.91%と求められた。

 上記1.91%は、土地建物の複合不動産の償却後総合還元利回りである。

 土地、建物の個別還元利回りではない。

 土地建物の個別還元利回りはどれ程か。その還元利回りを求める。償却後の還元利回りを求める。

 土地建物の価格は、鑑定コラム2123)で求められている。

 建物の価格は、534億円である。

 土地価格は、5028億円である。

 土地の還元利回りをXとする。

 建物の還元利回りは、

       X+償還基金率相当
とする。

 建物の経済的残存耐用年数は32年である。

 平均償却率は、
       1/32=0.031
3.1%である。

 この平均償却率を、償還基金率を求める利率に採用する。

 償還基金率を求める算式は、
                         r
               ─────────                               
                  (1+r)のn乗−1
である。但し、r=利率、n=年である。

 上記算式に、r=0.031、n=32 を代入すれば、償還基金率は、0.019と求められる。

 建物の還元利回りは、
       X+0.019
である。

 土地建物価格と、総合還元利回りとの間には、下記の関係がある。

    土地価格×土地還元利回り+建物価格×建物還元利回り
  ───────────────────────── =総合還元利回り
                    土地価格+建物価格
 土地価格は5028億円である。建物価格は534億円である。

 総合還元利回りは、1.91%である。

 上記の価格と割合を算式に代入すれば、
       5028億円×X+534億円×(X+0.019)
     ─────────────────────  = 0.0191    
              5028億円 + 534億円
である。

   上記算式を解けば、
      X= 0.017
1.7%である。土地還元利回りは1.7%である。

 建物還元利回りは、
      0.017+0.019=0.036
3.6%である。

 まとめると下記である。

      総合還元利回り    1.91%
      土地還元利回り    1.7%
      建物の還元利回り   3.6%
 平成バブルの時、総合還元利回りが2.0%を切った時、土地価格は暴落した。平成バブルは終わった。

 その先例からすれば、総合還元利回りは1.91%であるから、土地価格は暴落してもよい。

 総合還元還元利回り1.91%、土地還元利回り1.7%でも地価暴落しないのは、日銀のゼロ金利の超超金融緩和政策によって土地価格が支えられているのではなかろうかと思われる。

 しかし、日銀とてそうそういつまでも不動産業・リート業界にお金を無尽蔵のごとく出し続ける事は出来ないであろう。

 新型コロナウイルス感染に対する政府のお粗末な対策によって、日本経済は大打撃を受けガタガタになりつつある。

 地価暴落がいつ起きても不思議ではない。


  鑑定コラム2123)
「丸ビルの償却後総合還元利回りは1.91%、過剰流動性の危険信号(2020年3月)」

  鑑定コラム2122)「丸ビルの賃料は坪当り62,910円(2020年3月)」

  鑑定コラム2121)「丸の内地区のビル賃料はu当り11,667円(2020年3月)」

  鑑定コラム1937)「丸ビルの土地還元利回り(償却後)は1.8%(2019年3月)」


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