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409)トン8万円台になった19ミリ異形鉄筋の異常高

 2008年2月27日、日本経済新聞の日経商品指数の主要相場表によると、鋼材の東京市場で、異形19ミリ棒鋼がトン当り8万円になった。
 2月28日、29日の新聞相場表も同値である。

 日刊鉄鋼新聞のホームページの2月29日の当日市場相場では、東京高値で8.1万円をつけている。

 平成19年11月30日発表の鑑定コラム391)の「鉄筋鋼材の値上がりが激しい 」の記事で、鉄筋鋼材費の値上がりを記事にした。それは平成19年10月までの価格であつた。
 その後の価格推移を、同じ日刊鉄鋼新聞の調査から追加すれば次のごとくである。

    平成19年1月   64,000円
    平成19年2月   64,000円
    平成19年3月   66,000円
    平成19年4月   68,000円
    平成19年5月   68,000円
    平成19年6月   68,000円
    平成19年7月   68,500円
    平成19年8月   69,500円
    平成19年9月   69,500円
    平成19年10月   70,500円
    平成19年11月   70,500円
    平成19年12月   70,500円
    平成20年1月    73,500円

 これが2008年(平成20年)2月末になると、81,000円の価格になるのである。

 平成19年1月がトン64,000円であった。これが1年2ヶ月後にはトン81,000円になるのである。

 値上がり率は、
      81,000円÷64,000円=1.266
26.6%である。

 凄まじい鋼材費の値上がりである。

 この鋼材費の著しい値上がりは、当然マンションの建築工事費に加算されてくる。その建築工事費のアップを分譲マンション価格に転嫁出来れば良い。

 しかし、土地価格を入札で他の業者の札の倍以上の高値で購入していて、土地価格で吸収出来ないとなると、分譲価格にオンせざるを得ない。

 そうすると分譲マンション価格が購入者の購入収入限界の水準をオーバーしてしまうことになりかねなく、それは売れ行きに大きく影響することになり、分譲マンション価格に転嫁することも簡単には出来ないであろう。

 この様に考えると、鋼材費の著しい値上がりは、マンション業者に大きな打撃を与えることになろう。

 鋼材の値上がりなど不動産鑑定士の業務には関係無いと思っている不動産鑑定士がいるとしたら、それは大きな認識不足であると私は云いたい。

 マンションの価格を鑑定するのは不動産鑑定士である。
 そのマンションの建築費動向、そのウエイトの高い鋼材費が1年と2ヶ月で約27%もの大幅上昇している動向を鑑定評価とは無関係であるといって知らぬ存ぜぬでは、マンションの適正な価格評価は出来ないであろう。
 不動産鑑定士にとっても、鋼材費の値上がりの把握は無関係ではない。知っておくべき情報なのである。

 新日鐵等日本の鉄鋼会社は、ブラジルの鉄鉱石資源会社からの値上げ要求の交渉で、2008年度から原料である鉄鉱石の購入価格を65%アップとすることを決定した。

 これから鉄鋼材はますます値上がりすることになるであろう。
 トン当り2万円の一律価格加算値上がりも予測されている。


 上記に紹介した鑑定コラムは、下記をクリックすれば繋がります。
 鑑定コラム391)「鉄筋鋼材の値上がりが激しい」

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