○鑑定コラム



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5)空室率4%

 事務所ビルの空室率をどの位の数値にするか、DCF法を行う時によく迷う。

根拠のない数値を使用するわけにもゆかない。
 アメリカの投資銀行・投資顧問会社は「空室率の根拠は?」と必ず質問してくる。

 ビル賃貸斡旋業者が空室率を発表しているから、それを時々使用していたが、100%その数値を信用してよいものかどうかの問題もある。
 意地悪な弁護士はそこをついてくる。

 それら以上に四半期ごとのデータを追っかけていると疲れてしまう。

 多少の誤差は許容範囲として、最近は大手不動産会社3社の決算書の発表数値の平均を使用している。この方が信頼性があり、楽である。

 2001年9月中間決算によれば、営業賃貸ビルの空室率は、次の通りである。

     三井不動産  2.4%
     三菱地所   4.4%
     住友不動産  3.3%
     東急不動産  1.6%
 東急不動産の賃貸ビル面積の規模は、他の3社と較べて著しく少ない。
 このことを考え東急不動産を除くと、3社の空室率の平均は 3.37%≒4%である。

 この空室率を中心にして、当該ビルの状況、地域を勘案して空室率を決定すれば良いのではないだろうか。
 空室率の根拠を問われた場合、数値の根拠はそれなりに有る。

 なお、ニツセイ基礎研究所が、最近貸ビルの空室率を発表した。東京23区3.6%、大阪 9%前後、名古屋 6%前後である。大阪の貸ビル業界は土砂降りのようだ。

 賃貸マンションの空室率の発表データは無いから、人海戦術で評価地周辺の賃貸マンション5棟程度を、管理人から何をしているのかという詰問を覚悟の上、各棟の郵便受を片っ端から調査して空室率を推定せざるを得ない。

 もっとも鑑定評価で空室率の根拠を今迄に問われたことがないという人にとっては、この様な作業は必要無いかもしれないが。


 空室率についての関連記事は本鑑定コラムに多くあり、鑑定コラムの全目録を見れば分かりますが、その中の一つに下記記事があります。


  鑑定コラム193「ある大手不動産会社の賃料と空室率」

  鑑定コラム247「空室率が急激に下がっている」

  鑑定コラム922「都心5区空室率9.4%と過去10年で最高」

  鑑定コラム924)「ビル空室率は不動産業株価と逆比例の関係」


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