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548)東京高度商業地の店舗家賃と地価の関係

 鑑定コラム544)「銀座の利回り2.0%、表参道、新宿、渋谷、池袋は?」の記事において、各地区の店舗家賃の賃料を求めた。

 土地価格は、地価公示価格を採用して、各地区の還元利回りを求めた。

 それによって銀座、表参道、新宿、渋谷、池袋の容積率を考慮した平均賃料が分かった。そして土地価格も分かった。

 折角両者の値が分かったのであるから、そのデータの土地価格で、平均賃料が説明出来ないか考えてみる。

 土地価格をX万円/u、平均賃料をY万円/uとして、XY両者の関係を分析してみる。

 データの値は、下記の通りである。平均賃料は共益費込みである。単位u万円。

                     平均賃料Y   土地価格X

銀座     2.1054     3820 表参道    2.2558     1350 新宿     1.8543     2006 渋谷     1.8029     1840 池袋     1.2540      840

 土地価格の高い地区は、平均賃料も高い。両者の間には強い相関関係があると推定される。


銀座等店舗家賃と地価の関係



 多変量解析の回帰分析で、XYの関係を分析すると、XYの間には、次の関係式が成立する。

       Y=1.5065+0.000177X
       (相関係数0.52 、標準偏差 0.377)

 上式で求められる理論値(賃料)は、下記のとおりである。単位u万円。

          銀座     2.1808
          表参道    1.7448
          新宿     1.8606
          渋谷          1.8313
          池袋     1.6547

である。

 池袋の賃料が、実測値と理論値との間にやや開差があるが、それ以外は、それ程の大きな開差は無い。

 土地価格u当り1000万円以上の、商業地の店舗の平均賃料を求める時には、 上記回帰式は、使用出来るのでは無かろうかと思われる。

 但し、平均賃料は、地区の高値ゾーンの家賃を使用していることから、求められる平均賃料も高値ゾーンの賃料ということになる。

 上記回帰式を使って、東京高度商業地の地価と平均賃料を記すと、次の通りである。単位u当り万円。

           土地価格                   平均賃料

1,000万円         1.68万円 1,250万円 1.73万円 1,500万円 1.77万円 1,750万円 1.82万円 2,000万円 1.86万円
2,250万円 1.90万円 2,500万円 1.95万円 2,750万円 1.99万円 3,000万円 2.04万円 3,250万円 2.08万円
3,500万円 2.13万円 3,750万円 2.17万円 4,000万円 2.21万円 5,000万円 2.39万円

 平均賃料が分かって、それがどうなんだと思う人がいるであろう。その「どうなんだ」という先のことは、次のことが分かるのである。

 上記回帰式及び数値は、土地価格より平均賃料を知り、その平均賃料と階層別効用比を使って、各階の賃料を求めることが出来る。

 例えば、土地価がu当り2,000万円とすると、その土地上の店舗ビルの平均賃料は、u当り18,600円である。

 地下1階付8階建の店舗ビルであったとすると、そのビルの階層別効用比は、1階を100とした場合、次の効用比とする。

               8階     19
               7階     19
               6階     19
               5階     19
               4階     19
               3階     19
               2階     24
               1階     100
               地下1階   20

 1階の賃料をX円とする。

       
                  0.19X×6 +0.24X +X +0.2X
                ──────────────── =18,600           
                               9
の算式が成立する。

 この式を解くと、

      X=64,883≒64,900円/u(坪当り215,000円)
 
 1階の賃料は、u当り64,900円である。

 地階の賃料は、

       64,900円÷5≒13,000円

である。

 2階は、

       13,000円×1.2=15,600円

と求められる。

 3階以上は、

       15,600円×0.8≒12,500円

と求められる。

 設例店舗ビルの、各階の求められた賃料をまとめると、以下の通りである。単位u円。

               8階     12,500円
               7階     12,500円
               6階     12,500円
               5階     12,500円
               4階     12,500円
               3階     12,500円
               2階     15,600円
               1階      64,900円
               地下1階   13,000円

 この求められた賃料の妥当性を確かめるために、周辺の賃貸事例を調査し、その賃料と均衡を得ているかどうか検討し、均衡を得ていなく開差があれば、再検討若しくは調整して適正な賃料を決定することになる。

 上記店舗家賃と土地価格の関係の分析結果より、次のことも言える。

   「家賃は、土地価格の変動率と同じには変動しない。」

 つまり土地価格が5倍になったから、家賃も5倍にはならないと云うことである。
 土地価格の変動に比し、家賃の変動率は小さい。

 上記の分析結果によれば、土地価格1000万円の時、家賃は1.68万円である。
 これが土地価格5000万円になった時、家賃は2.39万円である。

 土地価格が5倍になっても、家賃は42%しか上昇していない。


 (追記)平成28年1月25日 計算間違いがありましたので、数値を訂正致しました。

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