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1271) 都23区の固定資産税収入は1.022兆円

 平成24年度東京都23区土地・建物の固定資産税は、東京都主税局が発行している『東京都税務統計年報』(平成24年度) によれば、1,022,087,637千円(1兆220億円)である。

 内訳は、

     土地            614,618,884千円
          建物            407,468,753千円
           計           1,022,087,637千円

である。

 土地の固定資産税額を100とすると、建物の固定資産税額は、

                    407,468,753千円
                 ─────────  = 0.663                      
                    614,618,884千円

0.663×100=66.3

66.3である。

 土地の固定資産税の細内訳は、

     田             149千円
          畑               1,117,192
          宅地             585,685,504
          池沼                  19,218
          山林                 206,970
          原野                      −
          雑種地            27,589,851
           計              614,618,884

である。固定資産税のうち95%が宅地からの税収である。

 宅地の面積は、315,039,899uである。

 1u当りの宅地の固定資産税は、

                    585,685,504千円
                 ─────────= 1.859千円                    
                   315,039,899u

1,859円である。

 ここで、宅地面積200uの土地があるとする。

 その土地の固定資産税は、

      1,859円×200u=371,800円(年額)

である。

 月額では、

            371,800円÷12=30,983円

30,983円である。

 この土地が借地であったとする。
 固定資産税の3.5倍が地代とすると、

             30,983円×3.5=108,441円

月額108,441円が地代ということになる。

 u当り地代は、

            108,441円÷200=542円

である。

    坪当り地代は、

            542×3.30578≒1,792円

1,792円である。但しこの地代は、23区の商業地、住宅地、工業地等の宅地の平均の推定地代である。
(日税鑑定士会の調査によれば、平成24年の23区住宅地の平均地代は、坪当り1,110円である。このことは鑑定コラム1270に記してある。1,792÷1,110=1.61、上記地代は1.61倍高いということになる。)

 建物の固定資産税の細内訳は、

      木造分                  38,724,817千円

住宅 31,771,746 アパート 6,534,178 その他 418,893
非木造分 368,743,936
店舗等 154,365,647 住宅・アパート 184,328,715 工場・倉庫・市場 16,943,512 その他 13,106,062
合計 407,468,753

である。

 木造住宅の延べ床面積は、90,128,350uである。
 木造住宅の1u当りの固定資産税は、

                31,771,746千円
             ─────────  = 0.353                         
                90,128,350u

353円である。

 120uの木造居宅の固定資産税は、

               353円×120u=42,360円

ということになる。

 非木造の店舗等の述べ床面積は、109,498,956uである。

 非木造の1u当り固定資産税は、

                  154,365,647千円
               ─────────   ≒1.410千円                     
                  109,498,956u

1,410円である。

 1フロア200uのRC造10階建ての建物があったとする。
 その建物の固定資産税は、

            1,410×2000u=2,820,000円

ということになる。

 東京都の税収は、前記税務統計年報によれば、平成24年度は、4,247,147,463千円(4兆2471億円)である。

 税収に占める固定資産税の割合は、

                 1兆220億円
               ──────    = 0.241                             
                 4兆2471億円

24.1%である。

 東京都にとって、税収に占める固定資産税の割合は高く、存在は大きい。
 毎年1兆円の固定資産税が、23区の土地建物から入ってくるのである。
 東京の経済力、財政力の強さ、豊かさを改めて考えざるを得ない。

 比較例に出して誠に申し分け無いが、わが生まれ故郷の県である岐阜県の平成24年度の県予算は、7,632億円である。岐阜県は、これだけの金額で県行政をやりくりしている。

 岐阜県の県予算を遙かに凌ぐ金額が、東京都では固定資産税という一つの税から毎年入ってくるのである。


  鑑定コラム1011)
「東京の一般予算6.2兆円、そのうち固定税・都計税1.3兆円」

  鑑定コラム1261)「東京都財務局の土地価格データ」

  鑑定コラム1270)「地価の変動と地代の変動は比例していない」


  

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