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今迄、渋谷原宿竹下通りの店舗の賃料鑑定を数回行っている。
今回改めて、現在の竹下通りの2階店舗の賃料及び2階と3階の賃料の関係を分析してみた。
1階の店舗賃料を分析したかったが、1階店舗の賃料データは、一件しかなかったことから断念し、2階の賃料の分析とした。
2階の賃料の分析したのち、2階と3階の賃料の関係を分析する。
2階の店舗賃料とはいえ、得られた賃料データは4件でしかない。
データは4件と少ないが、同じ商店街通りのなかにあって、新規募集の賃料データは、そうそう沢山あるわけでない。
4件のデータで分析する。
2015年(平成27年)3月に店舗募集しているデータで、支払賃料(坪当り万円)のデータである。
竹下通りは若い人向けの雑貨・ファツションの小売店舗が多い。
中学生・高校生を中心とした若い人に人気があり、通りはそれら若い人で埋め尽くされている。最近は外人も多くなった。
私などがスーツを着て、カバンを下げて、鑑定の現地調査などで歩いていると、甚だ場違いなところにいる思いを感じる。
店舗の賃料は、中心地から遠ざかるに従い安くなる傾向にある。
竹下通りの2階の店舗賃料もその傾向にある。
店舗賃料形成の中心は、JR山手線原宿駅である。
原宿駅には、改札口が2つある。
表参道口と竹下口である。
原宿駅のメーン改札口は、表参道口である。
距離計測の起点は、原宿駅のメーン改札口である表参道口とする。
同表参道口から、竹下通り入り口までは、北へ約200メートルの距離にある。
そこから竹下通りの商店街が始まり、東の明治通りまで伸びている。
JR山手線原宿駅表参道口距離と、竹下通り2階店舗の賃料の関係を分析する。
データは下記である。2015年3月現在の募集賃料である。
№
|
所在
|
面積坪
|
賃料坪万円
|
駅距離m
|
1
|
渋谷区神宮前1丁目
|
48.73
|
9
|
220
|
2
|
渋谷区神宮前1丁目
|
27.1
|
3.9
|
390
|
3
|
渋谷区神宮前1丁目
|
15
|
3.33
|
390
|
4
|
渋谷区神宮前1丁目
|
11.81
|
2.12
|
460
|
Y 竹下通り2階店舗賃料、坪万円
X 原宿駅表参道口から道路距離m
とする。
上記データをグラフに落としたのが、下記である。
XYの間に、
Y=a+bX
の線形代数の関係があるものとする。
上記データより、XYの関係式を求めると、
Y=15.35-0.0295X
相関係数 0.99
200<X< 460
である。
上記関係式は、次のことを教えてくれる。
竹下通りの2階の店舗の賃料は、原宿駅表参道口より1メートル遠ざかると、坪当り295円下がる。
即ち、100メートル遠ざかると、
295円×100=29,500円≒30,000円
坪当り3万円賃料が下がる。
上記式に距離を代入して、2階の店舗賃料を求めると、下記である。
距離m 賃料坪万円
200 9.45
250 7.98
300 6.50
350 5.03
400 3.55
450 2.08
1階店舗の賃料は、上記2階店舗の賃料より、1階、2階の階層別効用を考えれば、ある程度推定することができる。
次に、竹下通りの2階店舗賃料と、3階店舗賃料の関係について、述べる。
竹下通りの商店は、2階建の建物のみが建っている商業地ではない。
3~6階建程度の建物が建並んでいる。
同一建物にある2階部分店舗賃料と、3階部分店舗賃料を分析してみる。
下記にデータがある。2015年3月の募集店舗賃料である。
事例A 渋谷区神宮前1丁目
原宿駅表参道口より220m
2階店舗 48.73坪 坪当り9.0万円
3階店舗 17.73坪 坪当り5.0万円
事例B 渋谷区神宮前1丁目
原宿駅表参道口より390m
2階店舗 27.10坪 坪当り3.9万円
3階店舗 16.41坪 坪当り3.0万円
事例C 渋谷区神宮前1丁目
原宿駅表参道口より460m
2階店舗 11.81坪 坪当り2.12万円
3階店舗 11.81坪 坪当り1.69万円
2階の支払賃料の評点を100とすると、3階の賃料の評点は、例えば事例Aの場合、
(50,000円/90,000円)×100≒56
である。以下同じごとく求める。
駅距離を加えた一覧は、下記である。
2階評点 3階評点 駅距離m
A 100 56 220
B 100 77 390
C 100 80 460
3階の店舗賃料は、2階の店舗賃料の0.56~0.8の水準にある。
3階の店舗賃料は、2階店舗の賃料より安いことは認めるが、その0.56~0.8の水準にあると云うことは、2階の店舗賃料の一定割合の関係には無いということを示している。
このことは重要なことである。
単純に、3階の店舗賃料は、2階の店舗賃料の0.8であるという階層別効用比と考え賃料を求めることは、竹下通りの商店街の賃料では行えないということを証明しているのである。
即ち、竹下通り入り口の3階の効用比と、入り口から100メートルの3階の効用比とは異なっていると認識しなければならないと云うことである。
同一割合比として階層別効用比を考え、賃料を求めたら、とんでもないおかしな賃料鑑定をするということになる。
竹下通りの3階の店舗賃料と2階の店舗賃料の間の比は、2階の賃料の高いところの比は大きく、2階賃料の安いところの比は小さいという関係が認められる。
上記データをグラフにしたのが、下記である。
3階賃料の評点をYとし、表参道口からの距離をXとすると、XYの間には、
Y = 33.77 +0.104X
相関係数 0.98
の関係式が成り立つと分析される。
原宿駅表参道口より100m遠ざかると、評点は10ポイント上がることになる。
上式から求められる原宿駅表参道口距離と、竹下通り3階店舗の賃料評点(2階賃料を100とする)の一覧は、下記である。
駅距離m 3階評点 概略評点
200 54.57 55
250 59.77 60
300 64.97 65
350 70.17 70
400 75.37 75
450 80.57 80
鑑定コラム1502)「竹下通りの新築ビル店舗賃料」
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