45.7%のアップである。
それだけの地価上昇率を記録したのであるから、それなりの理由があるであろう。
名古屋周辺の市街地再開発事業によって、3つの大きなビル(大名古屋ビルヂング、JPタワー名古屋、JRゲートタワー)の完成が見込まれる事による影響とか、リニア中央新幹線の工事着工の影響と云われている。
市街地再開発事業は、昨日今日始まった事業では無い。
去年も一昨年もその先の年も要因は、存在していた。
リニア中央新幹線の開業は、2027年であり、12年後の話である。
それらが、今回の地価上昇日本一の形成に、大きく影響しているとは信じがたい。
地価上昇日本一を記録した基準地の近くには、他の商業地の基準地がある。
下記である。
基準地番号 所在 上昇率
中村5-1 名駅4-6-17 15.3%
中村5-7 名駅4-6-23 18.0%
周辺基準地の地価上昇は、15%~18%である。
名駅3丁目(基準地番号中村5-9)のみ、何故周辺地価の倍を遙かに超えた45.7%の地価上昇になるのか。この基準地は一年前に新規設定されたものではないのか。それがどうして45.7%もの価格上昇するのか。私にはどうもよく分からない。
国交省が発表した地方の商業地の地価高騰の状況を知れば、アベノミックス、日銀の超々金融緩和の影響がどれ程か、その凄まじさがわかるであろう。
下記に、基準地価格の上昇率上位10を記す。国交省発表によるものである。
単位は㎡当り円。所在は住居表示である。()は昨年の価格である。
その場所を具体的に知りたい時は、所在地をコピーして、グーグルマップで検索すれば、ゼンリンの地図上に、場所が図示される。
順位 所在 土地価格 上昇率
1位 名古屋市中村区名駅3-26-6 3,030,000円 45.7%
(2,080,000円)
2位 名古屋市中村区椿町1-6 3,250,000円 36.0%
(2,390,000円)
3位 大阪市中央区南船場3-5-11 4,150,000円 29.7%
(3,200,000円)
4位 大阪市中央区難波3-4-16 3,120,000円 28.9%
(2,420,000円)
5位 金沢市広岡1-1-18 395,000円 25.4%
(315,000円)
6位 名古屋市中村区椿町13-16 1,000,000円 25.0%
(800,000円)
7位 東京都港区南青山5-1-27 11,600,000円 20.2%
(9,65,000円)
8位 金沢市此花町8-8 282,000円 20.0%
(235,000円)
9位 東京都中央区銀座6-8-3 17,700,000円 19.6%
(14,800,000円)
10位 福岡市博多区博多駅前4-2-25 1,550,000円 19.2%
(1,300,000円)
東京は、もっと値上りしているのではなかろうかと私には思われるが、名古屋、大阪、福岡と地方の主要都市の商業地の地価が、東京に負けじと、大巾にアップしている。
金沢は、北陸新幹線の開通の影響によるものと思われる。
去年(2014年)の上昇率トップは、金沢の商業地で15.8%であった。
15.8%の上昇が、トップの上昇率であったのである。
1年後の今年(2015年)のトップ上昇率は、45.7%である。
今年の10位の上昇率は、19%以上である。今年の10位ですら、去年のトップ上昇率を超えている。
1年前のトップ上昇率と比較すれば、地価が異常の状態であることを、はっきりと知る事が出来るであろう。
****追記 27年9月23日 平成26年基準地・商業地価上昇率上位10
一年前の平成26年7月1日の基準地(商業地)の上昇上位10の地点と、上昇率を記す。国交省発表による。
順位 所在 土地価格 上昇率
1位 金沢市広岡1-1-18 315,000円 15.8%
2位 川崎市中原区新丸子東2-907-14 816,000円 13.3%
3位 仙台市宮城野区榴岡1-2-1 864,000円 12.2%
4位 東京都中央区銀座6-8-3 14,800,000円 12.1%
5位 東京都港区南青山5-1-27 9,650,000円 11.9%
6位 大阪市北区大淀南1-10-9 620,000円 11.9%
7位 大阪市北区同心2-13-4 489,000円 11.9%
8位 仙台市宮城野区榴岡4-4-13 200,000円 11.1%
9位 大阪市福島区福島6-20-2 491,000円 11.1%
10位 大阪市阿倍野区昭和町2-1-1 480,000円 10.9%
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