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1415)築地市場の売上高は芳しくない

 既に2件書いたが、この他4件ほど東京都中央卸売市場についての記事を書く。

 その目的は、東京都中央卸売市場の論理的な適正な家賃はどれ程かを探るためである。

 鑑定コラム1378〜1392)で、丸ビルの還元利回りはどれ程かを分析したごとくである。

 東京都中央卸売市場11市場のうち、水産食品を扱う市場は、築地市場、大田市場、足立市場の3つである。

 築地市場は、水産食品の他に青果食品も扱っているが、ここの小記事では水産食品についてのみ論じる。

 東京都中央卸売市場の発表によれば、平成26年の上記3つの市場の水産食品の卸売売上高は、4,623億円である。

 そのうち築地市場の売上高は、4,350億円である。

 水産食品の取扱高は、圧倒的に築地市場が多い。取扱高の94.1%を築地市場が占める。

 この数値を知れば、築地市場は、1350万人(平成27年10月1日現在13,490,558人 東京都の発表による)が住む大東京の人々の食べる魚の価格を左右していると云っても良い。

 そうした築地市場であるが、最近の売上高は芳しくない。

 平成26年の卸売売上高は、4,350億円であるが、平成15年には4,981億円の売上高であった。

 平成15年以降の築地市場の水産食品の卸売売上高を記す。東京都中央卸売市場の発表である。売上高億円は田原による。下記である。

          年                 売上高円            売上高億円

  平成15年(2003年) 498,137,022,142 4981   平成16年(2004年) 493,398,119,084 4934   平成17年(2005年) 480,423,042,678 4804   平成18年(2006年) 489,841,950,410 4898   平成19年(2007年) 487,338,273,696 4873   平成20年(2008年) 477,551,042,321 4776   平成21年(2009年) 434,464,185,788 4345   平成22年(2010年) 432,384,045,996 4324   平成23年(2011年) 423,765,053,377 4238   平成24年(2012年) 417,189,738,826 4172   平成25年(2013年) 421,728,985,335 4217   平成26年(2014年) 435,022,632,269 4350

 平成15年は、4,981億円の売上高であったが、平成24年には、4,172億円にまで売上高は減少した。

           4,172
                   ─────  ≒ 0.84                             
                      4,981

16%のダウンである。

 この原因は何であるのか。

 東京の人は、魚を食べなくなったのであろうか。

 魚を食べなくなったのかと思っていたら、平成26年には4,350億円まで回復する。

                 
           4,350
                   ─────  ≒ 1.043                            
                      4,172

4.3%のアップである。

 売上高はアップしたが、平成15年の金額にはとても及ばない。

 この4.3%のアップは、どういうことが原因しているのか。

 人口が4.3%増えたのか。それとも急に魚を食べ出したのであろうか。

 東京都の発表によれば、平成24年1月1日と平成26年12月1日の東京都の人口は、下記である。

     
     平成24年1月1日     13,184,161人
     平成26年12月1日    13,390,116人

 人口増加率は、

         13,390,116人
               ────────= 1.016                            
                  13,184,161人

1.6%の増加である。

 4.3%の卸売売上高の増加を、時期が重なっているとはいえ、アベノミックスによる黒田日銀の超々金融緩和政策によるアップであるとは、まさか云わないであろう。
       

  鑑定コラム1414)
「東京都中央卸売市場は53億円の赤字」

  鑑定コラム1410)「都の卸売市場の家賃はいくらか」

  鑑定コラム1392)「丸ビルの賃料、還元利回りの分析を終えて」

  鑑定コラム1416)「東京都中央卸売市場の売上高は1兆2110億円(平成26年)」

  鑑定コラム1419)「魚・野菜・肉卸店舗の家賃割合」


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