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1689)東京23区店舗併用住宅ビルの階層別効用比

 鑑定コラム1603)で、基準階店舗賃料を評点100として、1階店舗賃料評点を分析した。

 1階が店舗で、上階が住居の場合、或いは1、2階が店舗で上階が住居の場合の階層別効用比をどの様にするかと云うことに、頭を痛めることがある。

 つまり、下階と上階とで用途が異なっている建物の階層別効用比の場合である。

 下階が店舗で、上階が住居である場合の階層別効用比を考えてみる。

 下階の店舗の賃料データは、鑑定コラム1603)で使用した株式会社ビルズの平成29年1月調査データを使用する。

 上階の住居の賃料は、全国宅地建物取引業協会連合会が運営する「ハトマークサイト」というホームページ発表の「賃料相場」データの2DKの賃料を使用する。

 平成29年1月の東京23区の2DK(40u)のu当り賃料は、鑑定コラム1630)で分析されている。

 そこで求められているu当り賃料に3.30578を乗じて坪当り単価とする。

 例えば千代田区の2DKのu当り賃料は、3,998円である。
 

                         
              3,998円×3.30578=13,217円

 坪当り13,217円である。各区の坪当り賃料も同様にして求める。

 (株)ビルズ、ハトマークサイトのデータより、例えば千代田区の坪当り賃料は、下記である。

              1階店舗賃料     坪当り26,172円
              基準階店舗賃料    坪当り20,350円
              住居賃料       坪当り13,217円
 
 基準階店舗賃料を評点100とすると、他階の賃料評点は、次のごとく求められる。

 1階店舗賃料の評点は、

                 26,172円
                 ────── ×100 ≒ 129                          
                    20,350円

である。

 上階住居賃料の評点は、

                 13,217円
                 ────── ×100 ≒ 65                           
                    20,350円

である。

 まとめると、

              1階店舗       129
              基準階店舗      100
              上階住居        65
 
である。

 基準階店舗を、鑑定コラム1603)では3階としていたが、3階店舗賃料も2階店舗賃料も同じとすれば、基準階店舗を2階としてもよい。

 上記例の千代田区の評点の求め方と同じ求め方で、各区の評点を求めると下記である。


23区 1階 円/坪 基準階 円/坪 住宅階 円/坪 1階店舗評点  基準階店舗評点 住宅階評点
             
千代田区 26172 20350 13217 129 100 65
中央区 35232 27284 14043 129 100 51
港区 31841 25927 17646 123 100 68
新宿区 26324 22267 10423 118 100 47
文京区 14810 12914 9554 115 100 74
台東区 25486 19953 9223 128 100 46
墨田区 15664 16655 7603 94 100 46
江東区 15319 12931 8142 118 100 63
品川区 18974 13979 10357 136 100 74
目黒区 30299 22882 10975 132 100 48
大田区 19072 11984 8258 159 100 69
世田谷区 21444 17838 9405 120 100 53
渋谷区 41450 28228 14274 147 100 51
中野区 16373 19786 8340 83 100 42
杉並区 20993 15998 8347 131 100 52
豊島区 21573 19278 8446 112 100 44
北区 17441 13251 7134 132 100 54
荒川区 11248 13170 7372 85 100 56
板橋区 13823 10542 6628 131 100 63
練馬区 14459 12709 6853 114 100 54
足立区 16158 11645 6000 139 100 52
葛飾区 15294 10386 5927 147 100 57
江戸川区 14910 11724 6380 127 100 54
平均 21059 17029 9328 124 100 56


 上記分析のうち、墨田区、中野区、荒川区の3区の1階賃料が、2階賃料よりも安いという現象が生じている。

 このことは信じがたいことであるが、データの平均値の取り方によって生じたのではなかろうかと思われる。

 この3区の1階の評点は、23区平均評点の124を採用して考えればよいのではないかと思う。

 東京23区の店舗併用住宅ビルの階層別効用比の平均は、

              1階店舗       124
              基準階店舗      100
              上階住居        56
 
である。

 上記階層別効用比は,階層別効用比を考える際の参考になるであろう。

 但し、平均の割合であるということを忘れないで。


  鑑定コラム1603)
「1階の店舗家賃は3階店舗家賃の1.3倍」

  鑑定コラム1630)「東京2DK家賃は下がっている(平成29年1月)」

  鑑定コラム1600)「階層別効用配分割合」

  鑑定コラム1484)「市川・千葉と新宿の事務所ビルの階層別効用比」


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