○鑑定コラム


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ

1603)1階の店舗家賃は3階店舗家賃の1.3倍

 鑑定コラム1600)で、階層別効用配分割合について記した。

 その割合は、そのビルの所在する地域の賃料より求めるものであるが、都合よく1階〜10階のビル賃料が分かるものでは無い。

 多くの募集中の賃貸事例、あるいは1年以内に賃貸借契約された賃料データによって求めることになる。

 その具体的な求め方の例は、千葉の階層別効用を記した鑑定コラム1483)「市川・千葉の貸ビルの階層別効用比を求める」に記している。

 求めるのに結構な手間と暇がかかる。

 予め平均的な階層別効用評点が分かっておれば、分析の時間が省かれる。

 しかし、不動産鑑定評価のために、その様なデータをご丁寧に用意、結果を発表してくれる人などいない。自分でその都度、分析し求めなければならない。

 ネットで店舗賃料のデータを捜していたところ、東京23区の1階店舗賃料と基準階店舗賃料を発表しているホームページに出会った。

 「店舗相場TOWN」と云うホームページである。

 それは、株式会社ビルズ(井上良介社長)が運営する首都圏の店舗賃料相場情報サイトである。

 同サイトには、次のごとくサイトの説明がなされている。

 「このサイトではこれまで殆ど一般には公開されることの無かった「地域別の店舗賃料相場」及び「地域の募集総額や募集期間の傾向の分析」などの情報を全て無料で閲覧する事が出来ます。」と。

 その株式会社ビルズのホームページ「店舗相場TOWN」中の「首都圏店舗賃料相場」を見る。

 東京都のデータを見ると、23区各区の1階店舗賃料と基準階店舗賃料が、坪当り賃料で発表されていた。平成29年1月1日時点の賃料である。

 発表されているデータの一つを記せば、次のごとくである。

 (渋谷区)

1階店舗賃料    坪当り 41,450円 基準階賃料     坪当り 28,228円
  
 基準階は3階と考えれば、このデータより、階層別効用評点が求められるのでは無いかと思った。

 上記渋谷区の場合、3階の効用評点を100とすれば、1階の効用評点は、

                    41,450円
                  ─────   × 100 = 147                       
                    28,228円

147と求められる。

 同様にして、23区の1階店舗の効用評点を求めると、下記である。


店舗相場 株式会社ビルズ   2017年1月1日時点
       
23区 1階a 坪/円 基準階b 坪/円 1階評点 (a/b)×100
       
千代田区 26172 20350 129
中央区 35232 27284 129
港区 31841 25927 123
新宿区 26324 22267 118
文京区 14810 12914 115
台東区 25486 19953 128
江東区 15319 12931 118
品川区 18974 13979 136
目黒区 30299 22882 132
大田区 19072 11984 159
世田谷区 21444 17838 120
渋谷区 41450 28228 147
杉並区 20993 15998 131
豊島区 21573 19278 112
北区 17441 13251 132
板橋区 13823 10542 131
練馬区 14459 12709 114
足立区 16158 11645 139
葛飾区 15294 10386 147
江戸川区 14910 11724 127
平均 22054 17104 129


 データを見ていて驚いたことがあった。

 1階の店舗賃料より、基準階の賃料の方が高いと云う区が、3つあった。下記である。単位坪当り円。

区  1階 基準階
     墨田区 15,664円      16,655円    中野区    16,373円      16,655円      荒川区    11,248円      13,170円

 1階より3階の賃料が高いと云うことは、不自然であり、そのデータは省く。そうした理由から、上記一覧には、当該3区を省いている。

 墨田区、中野区、荒川区の3つの区を省いた20区の平均は、

       基準階(3階)      100
       1階       129

である。

 1階店舗賃料は、3階店舗賃料に対して、

       1.29倍≒1.30倍

ということである。

 分析結果は、階層別効用評点を求める際の一つの参考になるのでは無かろうか。

 但し、上記で求められた各区の1階効用評点は、あくまでも平均値という性格のものである。

 大通り沿の商店街店舗の場合の評点は、上記評点よりもかなり高い評点では無かろうかと思われる。


  鑑定コラム1483)
「市川・千葉の貸ビルの階層別効用比を求める」

  鑑定コラム1600)「階層別効用配分割合」

  鑑定コラム1689)「東京23区店舗併用住宅ビルの階層別効用比」


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ