○鑑定コラム


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ

2152)東京中央区の15階建の土地価格は介在畑の課税価格よりも安い

 総務省が日本全国の土地固定資産税の種類別課税土地面積、課税標準額を発表している。

 それは総務省のホームページで発表されている。

 公表書類名は『令和元年(平成31年度)固定資産の評価等の概要調書』と云う名称であり、その中の「市町村別内訳 土地総括表 第2総括表」である。

 ホームページのアドレスは、下記である。日本全国の市町村の固定資産税の種類別の課税データが載っている。自分の故郷の宅地価格、田の価格は幾らか興味ある人は、総務省のそのホームページを訪れて見てはいかが。

 下記アドレスをクリックして開かなかった場合は、その画面の下に書いてある「対処方法」の「・このコンテンツを新しいウインドウで開く」をクリックすると、しばらくして開きます。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/ichiran08_r01_00.html

 その総務省のホームページの上記『令和元年(平成31年度)固定資産の評価等の概要調書』に、東京都の固定資産税の課税標準価格等が掲載されている。

 それによると、下記である。

 東京23区の令和元年度(2019年度)の田、畑、介在畑、住宅地、住宅地以外の宅地、介在山林の課税面積、課税標準単価は、下記である。

 課税標準単価は、

      課税総額÷課税総面積
で求めた金額である。田原の計算による。


      課税総面積 u 課税標準額 千円 単価 円/u
東京都 特別区 田・一般田 4161 915 220
東京都 特別区 田・勧告遊休田 0 0  
東京都 特別区 田・介在田・市街化区域田 0 0  
東京都 特別区 畑・一般畑 3967154 872770 220
東京都 特別区 畑・勧告遊休田 0 0  
東京都 特別区 畑・介在畑・市街化区域畑 852104 50316172 59049
東京都 特別区 宅地・小規模住宅用地 221305005 11129338018 50290
東京都 特別区 宅地・一般住宅用地 10915413 1015246552 93010
東京都 特別区 宅地・住宅用地以外の宅地 83676169 36044024870 430756
東京都 特別区 宅地・計 315896587 48188609440 152546
東京都 特別区 山林・一般山林 0 0  
東京都 特別区 山林・介在山林 148579 10902432 73378
東京都 特別区 合計 332537111 50466276859 151761


 東京23区の平均の課税標準価格は、
            介在畑             u当り 59,049円
            小規模住宅用地     u当り  50,290円
            介在山林      u当り 73,378円
である。

 東京のど真ん中区にあって、土地面積約2万6,000u、延べ床面積約11.6万uで15階〜17階の建物4棟が建つ土地価格の鑑定評価格が、u当り27,000円である。

 15階〜17階の建物4棟が建つ土地の価格は、23区の介在畑の平均課税価格よりも安い。介在山林よりも著しく安い。

 23区の介在畑の平均課税価格がu当り59,000円余である。その価格の半値のu当り27,000円は適正であると主張する。この鑑定はまともなのか。

 15階〜17階の建物4棟が建つ土地の価格が、練馬区か足立区辺りにある介在畑の価格よりも安いとはあきれる。

 人は世界的な大きな行事のための要因があるからと云うが、土地価格は1つの行事が開かれるといって安くなるものでは無い。

 土地価格は1つの大きな行事の開催など関係無く価格形成されている。世界的行事だから土地価格はそれに影響して下落するものではない。それ等の影響など土地価格は受けない。

 代々木の国立競技場の土地は、東京オリンピックが開かれる主競技場であるが、その土地価格が東京オリンピックが開かれると云って値上りしたのか。競技場を新しくしなければならなく、工事費がかかるからと云って土地価格が下落したのか。

 その要因によって土地価格は変わっていない。

 例えばの話である。代々木の国立競技場の土地価格を求める必要が生じたとする。

 その土地上に15〜17階の賃貸マンションを想定し、そのマンションの収益価格を求め、その収益価格をベースにして開発法を行い、競技場の土地価格を求めるであろうか。

 求められた土地価格が周辺にある地価公示価格・基準地価格の2.5%の土地価格と求められたとする。

 その土地価格が適正と主張し、売り払おうとする人々がいるとする。その売り払い行為と土地価格は適正であろうか。




  鑑定コラム2144)「仰天 土地取引事例ゼロの更地の評価書」

  鑑定コラム2145)「収益還元法価格は開発法のベース価格にはならない」

  鑑定コラム2146)「固定資産税を自分で決めていて、その固定資産税が支払えない土地鑑定価格」

  鑑定コラム2147)「土地鑑定単価は土地課税単価より高い」の立証」

  鑑定コラム2148)「土地価格総額と土地公租公課総額との相関関係は大変高い」

  鑑定コラム2149)「おかしな開発法のベースとなった収益価格」

  鑑定コラム2150)「出現確率百万分の2.6の収益還元法」

  鑑定コラム2153)「東京都敗訴の固定資産税の最高裁判決」

  鑑定コラム2154)「まやかしの建築工事費」

  鑑定コラム2155)「中央区晴海 平成28年1月〜6月新築マンション取引平均価格114.59万円/u」

  鑑定コラム2156)「都心3区の地価公示価格の開発法」

  鑑定コラム2158)「店舗賃料の25%が公租公課という鑑定書 東京のど真ん中区のある街区の話」

  鑑定コラム2159)「出現率10万分の6の開発法の鑑定価格」

  鑑定コラム2160)「こりゃダメだ 池沼の課税価格より安い17階建て共同住宅の都有地鑑定価格」

  鑑定コラム2161)「従前評価は幾らなの? 8年後支払の金額に複利はつかないの? 」

  鑑定コラム2164)「不動産鑑定界の歴史に残る汚点の開発法  平澤氏メルマガ」

  鑑定コラム2173)「晴海オリンピック選手村土地価格は特定価格にはならない 」

  鑑定コラム2174)「土地価格の鑑定評価手法には原価法という手法もある 」

  鑑定コラム2175)「個人施行者の再開発事業には都市再開発法108条2項の適用はない 」

  鑑定コラム2176)「「晴海選手村土地の売却顛末」 西田紘一氏寄稿 」

  鑑定コラム2179)「権利変換を希望しない申出は財産の処分行為をすると云うことである 」

  鑑定コラム2180)「全員同意型再開発の同意は財産処分の行為である 」

  鑑定コラム2181)「「「HARUMI FLAG」住民訴訟に新たな動き 不動産鑑定士たちが指摘する激安価格のカラクリと問題点」という経済アナリストの記事」


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ