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2347) パブ・居酒屋の売上高は戻らない

 武漢発の新型コロナウイルスの感染拡大に拠って、外食産業は大きな売上高減等の被害を受けた。

 その中でも、特にパブレストラン・居酒屋が経営的に激しい被害を受けている。

 一般社団法人日本フードサービス協会が発表する『外食産業市場動向調査・2021年(令和3年11月度結果)』によると、パブレストラン・居酒屋の対前年同期比の売上高は96.8%である。

 売上高が対前年比の96.8%であるならば、売上高はほぼ元の売上高に戻っているでは無いのかと考えがちである。

 しかし比較する対前年同月比の売上高が100%であれば、それの96.8%となるから、売上高はほぼ元に戻ったと云えるが、前年同月の2020年11月の売上高は、その前の年の同月の57.2%であったとしたらどういうことになるのか。

 2021年11月のパブレストラン・居酒屋の売上高は、

              0.572×0.968≒0.55
2019年11月の売上高の55%と云うことになる。

 2019年11月は未だ武漢発新型コロナウイルスは日本に上陸していなかった事から、売上高は通常の状態であり、100%と云える。

 2021年11月のパブレストラン・居酒屋の売上高は、新型コロナウイルス感染前の売上高の約半分でしか無いと云うことになる。

 パブ・居酒屋の売上高は戻っていない。

 下記に2020年1月以降のパブレストラン・居酒屋の対前年比売上高を記す。

 2021年4月の対前年比同月比の売上高が、304.9%とその伸び率にびっくりするかもしれないが、算出のベースになった対前年同月である2020年4月の数値が8.6%と知れば、304.9%の数値に驚く必要は無い。
 

対前年同月比  
年月 売上高 %
2020年1月 101.0
2020年2月 94.5
2020年3月 56.7
2020年4月 8.6
2020年5月 10.0
2020年6月 39.9
2020年7月 47.2
2020年8月 41.0
2020年9月 51.1
2020年10月 63.7
2020年11月 57.2
2020年12月 39.1
2021年1月 25.1
2021年2月 29.3
2021年3月 60.3
2021年4月 304.9
2021年5月 102.7
2021年6月 41.3
2021年7月 61.5
2021年8月 31.2
2021年9月 19.6
2021年10月 69.2
2021年11月 96.8


 上記数値をグラフに図示したのが、下記グラフである。




パブ居酒屋2021年11月グラフ




 毎月、毎月対前年同月比売上高100%を超え、早く2020年1月の売上高水準に戻って欲しい。


  鑑定コラム2214)「2020年のパブレストラン・居酒屋の売上高の大巾な減少」

  鑑定コラム2115)「惨憺たる売上高 パブレストラン/居酒屋 前年同月比10.0%(2020年5月)」


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