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2910) 住宅地価トップ富良野市北の峰町27.1%、下落率トップ北海道豊頃町▲6.7% 2025年7月基準地価格


1.基準地地価変動率概略

 都道府県が国土利用計画法に基づいて、7月1日時点の土地価格を発表している。基準地価格という。1月1日時点に国が発表している地価公示価格を補完する土地価格である。

 2025年9月16日に国交省から、その基準地価格が発表された。

 2025年7月1日迄の1年間の地価変動の大枠は、下記である。


        全用途      住宅地     商業地    全国    1.5%      1.0%      2.8%   三大都市圏  4.3%      3.2%      7.2%    地方圏   0.4%      0.1%      1.0%

2.住宅地・商業地地価、上昇率・下落率上位10位

 2024年7月1日〜2025年7月1日の1年間の地価変動の上昇率の高い10地点、下落率の大きい10地点が、住宅地と商業地に分けて発表されている。

 発表している国交省のホームペーを転載すると下記である。



(1)上昇率順位表(全国)            
            (価格:円/u、変動率:%)
  住       宅       地          
順位 基 準 地 番 号 都道府県 基 準 地 の 所 在 地 令和6年基準地価格 令和7年基準地価格 変動率
        円/u 円/u
1 富良野−3 北海道 富良野市北の峰町1981番62 40600 51600 27.1
      『北の峰町11−21』      
             
2 千歳−1 北海道 千歳市東雲町5丁目52番 95000 117000 23.2
             
             
3 千歳−3 北海道 千歳市栄町5丁目3番外内 121000 149000 23.1
             
             
4 真狩−1 北海道 虻田郡真狩村字真狩44番17 6600 7900 19.7
             
             
5 つくば−36 茨城県 つくば市みどりの東39番9 63200 75600 19.6
             
             
6 真狩−2 北海道 虻田郡真狩村字真狩4番27 5800 6900 19
             
             
7 宮古島−11 沖縄県 宮古島市下地字上地ツーガ家502番6 20200 24000 18.8
             
             
8 恩納−1 沖縄県 国頭郡恩納村字真栄田真栄田原36番外 31600 37500 18.7
             
             
9 宮古島−15 沖縄県 宮古島市伊良部字池間添下桃山219番 14500 17200 18.6
             
             
10 流山−4 千葉県 流山市東初石3丁目103番82 145000 171000 17.9
             
             
             
             
  商       業       地          
順位 基 準 地 番 号 都道府県 基 準 地 の 所 在 地 令和6年基準地価格 令和7年基準地価格 変動率
        円/u 円/u
1 千歳5−2 北海道 千歳市末広2丁目122番2外内 118000 155000 31.4
      『末広2−6−3』      
             
2 千歳5−3 北海道 千歳市北栄2丁目1345番27 127000 165000 29.9
      『北栄2−3−9』      
             
3 千歳5−1 北海道 千歳市東雲町1丁目6番4 98000 127000 29.6
             
             
4 白馬5−2 長野県 北安曇郡白馬村大字北城字新田3020番837外 52200 67500 29.3
             
             
5 高山5−4 岐阜県 高山市上三之町51番 385000 493000 28.1
             
             
6 台東5−1 東京都 台東区浅草一丁目17番9 3030000 3860000 27.4
      『浅草1−29−6』      
             
7 台東5−17 東京都 台東区西浅草二丁目66番2 2300000 2880000 25.2
      『西浅草2−13−10』      
             
8 中央5−23 東京都 中央区湊一丁目16番2 1480000 1850000 25
      『湊1−2−7』      
             
8 渋谷5−10 東京都 渋谷区円山町86番2外 1800000 2250000 25
      『円山町22−16』      
             
10 中央5−27 東京都 中央区銀座七丁目205番14 3650000 4560000 24.9
      『銀座7−16−7』      


3.住宅地上昇率・下落率10位の県別地点数

@ 住宅地上昇率10位の県別地点数

 住宅地の上昇率トップは、北海道富良野市北の峰町の27.1%である。

 上昇率1から4位迄、北海道の基準地価格である。6位にも入っており、10位の内5地点が北海道の地点である。

 残り5件は、茨城の筑波が5位、沖縄が7位、8位、9位を占める。その内宮古島の地点が2地点である。

 10位は、千葉の流山の住宅地である。

A 住宅地下落率10位の県別地点数

 住宅地の下落率トップは、北海道豊頃町の▲6.7%である。

 北海道は1位の外に、8位に檜山郡厚沢部町館町が入っている。

 下落率2位に、宮城の気仙沼市本吉町馬籠町が入る。

 宮城県は4位大崎市鳴子温泉、6位加美郡加美町宮崎、7位気仙沼市本吉町岡牛、9位加美郡加美町百目木、10位加美郡加美町上野原と6件が入っている。

 その他は、3位に石川県輪島市河井町、5位に広島市佐伯区杉並台が入っている。

 10位は、千葉の流山の住宅地である。

4.住宅地上昇率トップの富良野市北の峰町

 北海道の富良野市北の峰町が上昇率トップになった理由は、スキー場の麓に位置し、降り積もる雪は、ニセコのごとくパウダースノーであり、地元では「ボンチパウダー」と呼ばれ雪質の良さがアピールされている。

 この雪質の良さからリゾート開発が進み、インバウンド客に人気で別荘やコンドミニアムの需要が旺盛で民泊需要も高まっていて、地価は上昇を続けているというのである。

 富良野市の人口・世帯の推移を、富良野市のホームページで見ると、下記である。()内は外国人である。
            世帯数         人口
   令和2年1月末   10,881(299)      21,548(321)
   令和3年1月末   10,682(245)      21,053(267)
   令和4年1月末   10,545(201)      20,594(227)
   令和5年1月末   10,511(282)      20,188(308)
   令和6年1月末   10,583(468)      19,900(502)
   令和7年1月末   10,580(594)      19,595(638)

 世帯数は横ばい、人口は減っているが、外国人の世帯数、人口を見れば、令和4年を底にして、世帯数は3.0倍(594÷201≒3.0)、人口は2.8倍(638÷227≒2.8)である。

5.住宅地下落率トップの北海道豊頃町

 豊頃(とよころ)町の所在は、帯広市の南東方にある太平洋に面する町である。産業は農業・漁業である。

 下落率▲6.7%で、2025年7月の基準地価格の下落率トップになるとは、巡り合わせが悪いといわざるを得ない。

 新聞等は、地方の人口減少や社会経済的な停滞が一般的な原因によるもので、豊頃町の地価下落現象もそれであると理由を述べる。

 豊頃町の人口の推移を記す。2020年までは国勢調査によるものである。

     1980年   5779人
     1985年   5541人
     1990年   5050人
     1995年   4519人
     2000年   4164人
     2005年   3732人
     2010年   3394人
     2015年   3182人
     2020年   3022人

 そして2025年4月は、公益財団法人国土地理協会調査によれば、
     2025年4月 2833人
である。

 激しい人口の減少の地方自治体である。

 こうした状態は豊頃町だけではなく、地方では多くあるのではなかろうか。

 たまたま、今回の基準地価格調査で、豊頃町が地価下落率▲6.7%で、下落率トップになっただけで、いつ何時ほかの人口減少の激しい地方自治体の土地価格が下落率トップになってもおかしく無い状況ではなかろうか。

6.令和7年(2025年)基準地都道府県別住宅地・商業地の変動率

 国土交通省が発表した令和7年(2025年)基準地価格の1年間の住宅地・商業地の地価変動率は、下記である。


用途別 用途別 住宅地 商業地
    令和7年 令和7年
       
都道府県名 都道府県名 変動率 変動率
1 北海道 △ 0.2 0.6
2 青森 △ 0.4 △ 0.5
3 岩手 △ 0.2 △ 0.9
4 宮城 0.9 4
5 秋田 △ 0.4 0
6 山形 △ 0.2 △ 0.2
7 福島 △ 0.4 0.7
8 茨城 1.2 1.8
9 栃木 △ 0.3 △ 0.3
10 群馬 △ 0.4 0.6
11 埼玉 1.5 3
12 千葉 3.3 4.8
13 東京 5.6 11.2
14 神奈川 3.3 7
15 新潟 △ 1.0 △ 0.5
16 富山 △ 0.3 0.5
17 石川 0.6 1.9
18 福井 △ 0.5 △ 0.4
19 山梨 △ 0.7 0
20 長野 0.2 0.4
21 岐阜 △ 0.8 0.7
22 静岡 △ 0.1 0.7
23 愛知 1.6 2.7
24 三重 △ 0.2 0.5
25 滋賀 0.2 2.1
26 京都 1.2 5.7
27 大阪 2.7 7.9
28 兵庫 1.5 3.4
29 奈良 △ 0.7 1.3
30 和歌山 △ 0.6 △ 0.1
31 鳥取 △ 0.6 △ 0.5
32 島根 △ 1.0 △ 0.9
33 岡山 △ 0.2 1.1
34 広島 0.4 1.8
35 山口 △ 0.1 0.1
36 徳島 △ 1.1 △ 1.4
37 香川 △ 0.3 △ 0.1
38 愛媛 △ 1.0 △ 0.8
39 高知 △ 0.5 △ 0.6
40 福岡 2.7 5.1
41 佐賀 1.3 2.2
42 長崎 0 0.4
43 熊本 0.9 2.5
44 大分 1.2 0.7
45 宮崎 0.2 △ 0.1
46 鹿児島 △ 1.1 △ 0.7
47 沖縄 5.7 7.1
  全国 1 2.8


7.地価DI値

 47都道府県の年間土地価格変動率は上記で判ったが、全国的に見て土地価格はどの様な傾向にあるのかは、上記変動率を見ても判らない。

 上昇・下落している都道府県数より、地価動向DI値を求める。

@ 住宅地地価動向DI値

 令和7年の住宅地の土地価格の上昇・下落している都道府県数は、下記である。

      上昇している     20
            横ばい                 0
            下落している     26

 土地価格DI値は、下記算式で求められる。

        上昇している数−下落している数
             ────────────────── ×100=DI値       
                       都道府県数(47)

 令和7年の住宅地の都道府県のデータより、上昇・横ばい・下落の数を上記算式に入力すれば、DI値は下記のごとく求められる。

        20−26
              ───── ×100=-12.8 
                   47
 DI値は−12.8である。

A 商業地地価動向DI値

 令和7年の商業地の土地価格の上昇・下落している都道府県数は、下記である。

      上昇している     30
            横ばい                 2
            下落している     15

 土地価格DI値は、下記算式で求められる。

                  30-15
              ───── ×100=31.9                               
                   47
 DI値は31.9である。

B 令和元年〜7年までの住宅地・商業地の土地価格動向DI値

 上記の求め方で、国交省が発表している令和元年〜令和7年の基準地価格の47都道府県の地価変動率から、土地価格動向DI値を求めると下記一覧の通りである。


住宅地 上昇 横ばい 下落 DI値
  a   b a-b=c c/47×100
令和元年 17 0 30 -13 -27.7
令和2年 4 0 43 -39 -83.0
令和3年 7 2 38 -31 -66.0
令和4年 13 1 33 -20 -42.6
令和5年 18 1 28 -10 -21.3
令和6年 17 1 29 -12 -25.5
令和7年 20 1 26 -6 -12.8
           
           
商業地 上昇 横ばい 下落 DI値
  a   b a-b=c c/47×100
令和元年 19 2 26 -7 -14.9
令和2年 10 1 36 -26 -55.3
令和3年 6 0 41 -35 -74.5
令和4年 18 2 27 -9 -19.1
令和5年 22 2 23 -1 -2.1
令和6年 28 2 17 11 23.4
令和7年 30 2 15 15 31.9


 まとめると下記である。


  住宅地DI値 商業地DI値
令和元年 -27.7 -14.9
令和2年 -83.0 -55.3
令和3年 -66.0 -74.5
令和4年 -42.6 -19.1
令和5年 -21.3 -2.1
令和6年 -25.5 23.4
令和7年 -12.8 31.9


 上記住宅地、商業地のDI値をグラフ化すると下記である。



基準地令和元年〜7年変動率DI値



 上記グラフ化によって、令和元年の47都道府県の住宅地・商業地の土地価格がどういう傾向にあるかが判るであろう。

DI値は、上昇数と下落数の差がゼロの時は、DI値は0で、差がマイナスの場合は0以下の数値、差がプラスの場合は0以上の数値になる。

 商業地価は、令和5年で上昇している県が下落している県を上回った。その後その傾向が続いている。

 住宅地価は、地価下落県の方が上昇県よりも多いが、来年もしくは再来年には、上昇県の方が多くなるのでは無かろうかと推測される。


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