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386)日銀はいつまで超低金利政策を続けるのか

 サブプライムローンの焦げ付き発生によって、アメリカ・欧州の銀行、金融機関そして経済がおかしくなりつつある。株式も大幅な下落を示している。

 サブプライムローンの問題が表面化したのは、昨年2006年の12月で、サブプライムローンを専門に扱っていたアメリカの金融機関が資金ショートをおこし、業務を停止した。そして2007年2月に米連邦破産法11条による資産保全の申請をしたことで明らかになった。その後サブプライムローンを扱っていた金融機関が続々と業務停止をし、そして破綻金融機関となったのである。

 サブプライムローンの被害は、23兆円にも及ぶという予測も飛び交う。
 アメリカの政府高官及び通貨政策の高官は、東の国の超低金利政策と外貨準備高のため込み過ぎが、サブプライムローン問題を引き起こした原因という。

 東の国の超低金利政策の国とは日本国のことである。日銀の長い超低金利政策を指す。

 外貨の貯めすぎの東の国とは、中国を指す。
 中国のここ数年による凄まじい外貨準備高を言う。

 中国は今(2007年)や世界一の外貨を貯め込んでいる国である。その額は1.3兆ドルと言う。

 日本銀行の長い超低金利政策の弊害が、日本のみに留まらず欧米の金融情勢に甚大な悪い影響を与える愚策となってしまった。

 日本銀行が、公定歩合を1%以下にしたのは平成7年(1996年)である。
 それ以後その利率は低下を続け、平成13年(2001年)には0.1%の利率にしてしまった。

 その超低金利をなんと5年間も続け、0.4%にしたのは平成18年、0.75%にしたのは平成19年である。
 0.75%にしたとはいえ、依然として1%以下の公定歩合(基準割引率及び基準貸付利率)である。

 この長期の超低金利政策と金融の超緩和政策によって円はおびただしく市場にあふれた。
 しかし、銀行から借り入れをする製造企業は多くなく、融資先の大得意先は不動産ファンド会社になってしまった。市場に余剰する円資金は、不動産ファンド会社の資金に回り、都心の商業地の地価の暴騰を引き起こしてしまった。

 東京の都心地価が暴騰すると、それとの比較安からタイムラグを伴って、大阪・名古屋・福岡・札幌と地方の主要大都市の商業地の土地が買われた。賃料をベースにした収益還元法の価格であるから適正な価格であるという理由をつけて。

 地元の不動産業者が購入するならば坪当り300万円の土地を、東京の業者は坪当り600万円の価格を提示して買って行く。こうして地方の中心都市の商業地の地価暴騰が生じた。

 それと同時に、安い金利の円を借りて、高金利のドル預金あるいは円建ての外債の発行、ドル資金で再投資をして利益を稼ごうとする経済行為を蔓延させることになってしまった。

 他方、中国は1ドル7.8元の固定金利制をハズしたが、変動相場の巾を極めて狭め、中国経済を支える為に、元高になることを防ぐためには1ドル7.8元中心の交換レート制を死守しなければならなく、市場のドルを猛烈に買い上げた。それがたまりにたまって1.3兆ドルにもなってしまった。

 中国市場にあふれた元は、上海を中心にして、不動産・株式に投資され中国経済の繁栄を作り出した。

 中国政府はためた1.3兆ドルをそのまま金庫にしまっておれば、問題は発生しないが、かっての日本、イヤ現在の日本政府が行っている同じやり方、即ち保有するドルで米国債を購入する方法をとった。これによって大量のドルが、アメリカの市場に出回ってしまった。出回ったどころでは無い。あふれてしまったのである。

 日本の超低金利政策と中国の1.3兆ドルという世界一の外貨準備高によって、ドルの過剰流動現象がおこり、アメリカの低所得者向けのサブプライムローンにお金が流れた。

 そのローン債権をはやりの金融工学による証券化によって小口販売された。

 サブプライムローンの契約当初の金利は4〜5%程度であるが、数年すると10%以上に跳ね上がり、中には15%以上のものもあるという。借入者はその間に土地価格の上昇を利用して、低率のプライムローンに借り換えるのがサブプライムローンの一般的仕組みと聞く。
 サブプライムローンの借り入れ者が、ローンを滞りなく支払えば問題は発生しないが、このサブプライムローンの金利が数年すると高金利になるという上記のごとくの商品であり、借り入れ者はローン返済に行き詰まってしまった。

 サブプライムローンの焦げ付きが発生した取り扱い銀行の格付けが下がり、当該銀行は資金繰りがつかず倒産という道をたどることになった。

 現在(2007年10月)のサブプライムローンの証券価格は、発行価格を100とすると22の水準にまで下がってしまったようである。半値8掛け5割引である。

 サブプライムローン証券及びその関係の金融商品を発行・保有している銀行、企業は、時価評価であるため、目減りした分78の貸倒引当金を積み立てなければならない。
 アメリカの大銀行が多額の損失計上をしているのは、この為である。
 これが原因して、頭取の辞任まで生じている。

 日本にはサブプライムローンを購入した企業はいないから、日本は大丈夫であると新聞紙上で発言している人もいるが、果たしてそうであろうか。

 そう発言していた人は、「金融のグローバル化」をかって主張していたのでは無かったか。

 良い現象の時のみ日本は「金融のグローバル化」が進み、悪い現象の場合は、日本に「金融のグローバル化」は及ばないと考えているのであろうか。

 これからサブプライムローンの影響が、日本の金融・経済にじわりと影響を与えてくる。

 サブプライムローン問題を引き起こした原因の一つは、日本銀行の長期の超低金利政策である。
 一体日銀はどこを向いて超低金利政策を続けているのであろうか。
 長期の超低金利政策と金融の超緩和政策で、地価の暴騰を引き起こし、国内のみでなく、今度は欧米の金融情勢に多大な悪影響を引き起こすことをやってしまった。

 1%以下の公定歩合(基準割引率及び基準貸付利率)など、さっさと止めて利率3%の政策に移れ。

 ああでもない、こうでも無いとグダグダと偉そうに、最もらしいことを述べて実行する勇気無く不作為の作為行為を行って、公定歩合(基準割引率及び基準貸付利率)をあげずにいたために、国内の土地価格暴騰、海外の金融情勢にまで愚策の影響が及び、とんでもないことを引き起こしてくれた。

 20年前のバブル時の日銀の金融政策について、バブル崩壊後4年位して、当の日銀マンが、あのときの政策は間違っていたという無責任な論文を発表して責任転嫁をはかったごとく、今回も後日後年になって、現在の超低金利政策は間違っていたというような論文を再び書かないように。

 あの論文を書いた日銀マン、及び誤った政策を誤っていると認識をせずに実行した成績優秀な日銀マンは、2007年の今何をしているのか。


 日本銀行に関する記事は、下記の鑑定コラムにもあります。

  鑑定コラム421)「第30代日本銀行総裁」

  鑑定コラム291)「バブル時に迫る銀行の不動産業への新規貸出額」

  鑑定コラム1082)「不動産業新規融資前年同期比16.1%アップ(2013年1〜3月)」


 

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