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394)2007年3月事務所・店舗賃料は底値を脱した

 日本を代表する不動産会社の一つである三菱地所株式会社が、株主へのIR情報として、同社のホームページに、三菱地所のビル事業の全国全用途(全用途とは事務所、店舗、倉庫を云う)の平均賃料を公表している。

 その発表賃料には、新丸の内ビル等の新築の賃料も含まれているであろうが、三菱地所の全所有賃貸ビル数から考えれば、発表賃料はほぼ継続賃料を反映したものと思われる。

 その継続賃料の傾向を知るために、各年の1月時点の賃料を記す。
 底値の時期を見極めるため、2006年からは月ごとの賃料を記す。

                2001年1月      坪当り 23,406円
                2002年1月      坪当り 23,215円
                2003年1月      坪当り 22,863円
                2004年1月      坪当り 22,433円
                2005年1月      坪当り 21,889円

                
                2006年1月      坪当り 21,422円
            2月      坪当り 21,539円
                      3月      坪当り 21,711円
                  4月      坪当り 21,680円
                 5月      坪当り  21,575円
                 6月      坪当り 21,401円
                 7月      坪当り  21,499円
                 8月      坪当り 21,435円
                 9月      坪当り  21,421円
                10月      坪当り  21,579円
                11月       坪当り  21,570円
                12月       坪当り 21,668円

                
                2007年1月      坪当り 21,595円
                      2月      坪当り 21,607円
                      3月      坪当り 21,733円
                      4月      坪当り 21,843円
                      5月      坪当り 22,085円
                      6月      坪当り 22,081円
                      7月      坪当り 22,234円
                      8月      坪当り 21,977円
                      9月      坪当り 22,049円

 上記データから判断すると、ビル賃料は2006年6月を底にして、底値固めをおよそ1年間し、2007年3月から値上がり傾向に転じたと判断出来よう。

 2007年5月には、それまで坪当り単価が1万円台であったのが、2万円台になった。ここではっきりと、それ以前である2006年のおよそ1年間が底値固めの時期であったと判断できるのではなかろうか。

 上記賃料は、三菱地所の事務所、店舗、倉庫の平均賃料であって、この賃料が店舗の賃料の水準を示しているものではない。あくまでも平均の賃料水準の賃料である。個別的な地域では、例えば丸の内の新築の事務所賃料は、坪当り7万円の水準というのも噂されている。

 一般的には賃料の水準は、
           店舗 > 事務所 > 倉庫
の賃料単価の順序にある。

 賃料が底値を打ったからといって、賃貸ビルの全ての賃料が上昇しているということでは無い。
 立地の悪い所にあり、建物の古い、機能的に陳腐化しているビルの賃料は、依然として下落傾向にあるということを忘れないように。
 新築のビルの賃料と築後30年のビルの賃料とは、同じ地域環境にあっても賃料の差が大きくある。

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