○鑑定コラム


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ

538)オフイスビル賃料のピークは2008年5月だった

 日本経済新聞社が、年2回春と秋に、オフィスビル賃料を調査(『オフィスビル賃料調査』)して、日本経済新聞に発表している。

 2009年春の調査の結果が、2009年5月5日の日本経済新聞に掲載された。

 オフイスビル賃料は、軒並み下落した。

 東京で一番高いオフィスビル賃料は、「丸の内〜大手町」の地区である。

 間違えてもらっては困るが、店舗賃料で一番高いのは「銀座中央通り」である。「丸の内〜大手町」の地区は、オフィスビル賃料で一番高い地区であって、店舗賃料で東京一の賃料水準にある地区では無い。

 オフィスビル賃料と店舗賃料とで、東京で一番高い賃料の地区が異なる。

 日経2009年(平成21年)5月5日調査の「丸の内〜大手町」地区のオフィスビル賃料(新築、募集新規賃料、坪当り円)は、ゾーンで発表されており、

     45,000円〜60,000円

であった。以下賃料ゾーンの右側の高値を、「高値ランク」と呼ぶこととする。

 2008年(平成20年)11月17日の日経の調査では、坪当り65,000円(賃料ゾーン上下の巾なし)であった。

 2008年11月〜2009年5月までの半年間で、高値ランクで坪当り5,000円の賃料が下がっている。値下がり率は、
     60,000円÷65,000円=0.923≒0.92
▲8%である。

 年率換算では、単純計算で、

     ▲8%×2=▲16%

の下落率である。

 過去5年、「丸の内〜大手町」地区の日経調査によるオフィスビル賃料の高値ランクの賃料は、いくらでどういう動きをしてきたであろうか。
 その賃料を下記に記す。単位坪当り円。

    2004年(平成16年)5月    45,000円
    2004年(平成16年)11月   45,000円
    2005年(平成17年)5月    50,000円
    2005年(平成17年)11月   55,000円
    2006年(平成18年)5月    60,000円
    2006年(平成18年)11月       − 円
    2007年(平成19年)5月    65,000円
    2007年(平成19年)11月   70,000円
    2008年(平成20年)5月    70,000円
    2008年(平成20年)11月   65,000円
    2009年(平成21年)5月    60,000円

 上記賃料の推移を見れば、2004年の坪当り45,000円からジリジリ上昇し、2007年11月に坪当り70,000円になる。

 その高値ランク賃料水準は、半年続き、2008年5月を過ぎて下落する。

 坪70,000円の賃料は2008年5月よりも長く続くハズであったろうが、不幸にもサブプライムローンの問題が表面化し、経済に与える影響が大きいとわかりだした。

 そして賃料下落は、2008年9月のリーマン・ブラザーズの倒産で確実になり、2008年12月のトヨタショック(2008年12月22日トヨタ自動車の社長が、2009年3月期は大幅な赤字決算となる予測を発表)で拍車がかかった。

 上記のオフィスビル賃料の上昇も、不動産ファンドバブルの影響によるものである。
 
 不動産ファンドバブルの土地価格は、2007年7月をピークにして価格下落した。
 オフィスビル賃料は、2008年5月をピークにして下落に転じた。

 まとめて比較すると、
          土地価格       2007年7月
          オフィスビル賃料   2008年5月
が、それぞれのピークであり、その時期以降、土地価格もオフィスビル賃料も下落に向かう。

 土地価格の下落と、オフィスビル賃料の下落のタイムラグは10ヶ月である。

 勿論土地価格の下落の方が早く、その後追いでオフィスビル賃料が下落している。そのタイムラグが10ヶ月ということである。
     
 通常は両者の下落のタイムラグは、2年半程度であるが、今回の下落のタイムラグは10ヶ月である。

 リーマン・ブラザーズの倒産とトヨタショックが、オフィスビル賃料に与えた影響が如何に大きいかが分かろう。

 私は、「アエラ」2009年2月16日号の『家賃崩落』の記事の中で、
 「マンション賃料は下落する。地価の下落よりおよそ2年半後に家賃の下落が始まるが、今回はリーマン・ブラザーズの倒産の影響が大きく、家賃の下落は1年程度早まり、現在家賃の下落は始まっている。」
と述べた。

 日経のオフィスビル賃料の調査結果は、いみじくもそれを裏づけることとなった。



 「アエラ」の記事の鑑定コラムは、下記です。
 鑑定コラム511)『「家賃崩落」都心で始まった』・アエラ2009年2月16日号


 トヨタショックに関する鑑定コラムは、下記です。
 鑑定コラム493)トヨタ2.2兆円利益からマイナス利益に激直下


 リーマン・ブラザーズ倒産に関する鑑定コラムは、下記です。
 鑑定コラム468)歴史に残る世界金融の大変動時
 

フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ