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659)プロパスト(ジャスダック上場 不動産業)倒産

 企業情報及び企業倒産情報会社の帝国データバンクは報じる。

 ジャスダック上場の不動産会社プロパストが、2010年5月14日倒産した。
 同日民事再生法適用手続を東京地裁に申請し、保全命令を受けたと。

 負債総額は554億円という。

 プロパストは、新築マンション分譲会社である。
 企画・設計のコンセプトに優れ、マンション業者として特色ある業者であった。

 プロパストの倒産を聞き、プロパストのホームページを訪れて見た。

 そこには、「民事再生手続開始の申立」と「再建計画について」というプレスリリースが載せられていた。
 
 民事再生法適用手続開始申立に至った理由として、概略次のごとく述べられていた。

@ 平成20年中盤から、不動産市場の潮目が変わった。
 マンションは概ね20%程度下落、地価はピーク時より40%下落が生じた。

A 上記不動産のデフレにより、資産活性化事案、不動産開発事業、郊外大型マンション販売が大きな影響を受け、不振に陥った。

B 平成22年5月期第3四半期末で、346億円の債務超過になり、販売所有不動産、賃料債権、預金債権等の差押えを受けた結果、事業の継続が困難になった。

と企業倒産原因について述べる。

 倒産理由の中で、平成20年中頃より不動産の潮目が変わったという。
 しかし、この見方は甘い。

 不動産の潮目が変わったのは、平成19年7月である。
 この1年の不動産の状況を見る感覚のズレが、企業倒産に至ったと云えなくもなかろう。

 マンション価格は20%程度下落したという。
 又、土地価格は40%下落したという。

 この2つの数値は、倒産した不動産業のプロの経営者が身をもって実感し、倒産を味わっての発言であることを考えると、重い。

 上記土地価格40%の下落と、マンション価格下落20%とは無関係ではない。

 土地価格40%下落、その上の新築マンション建物価格は変動無いとすると、当該マンションを構成する土地価格、建物価格の割合を50:50と考えれば、マンション価格は土地建物一体の価格であることから、

     (1−0.4)×0.5+1.0×0.5=0.8 
           0.8−1.0 = ▲0.20

マンションの価格下落は▲0.2となる。即ち20%の下落となる。


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