○鑑定コラム


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ

818)見附のマクドナルド(ビッグマック為替レート)

 地下鉄赤坂見附駅から南方向に歩いて1分程度のところに、マクドナルド赤坂見附店がある。

 赤坂見附駅は、都心に向かう地下鉄銀座線、丸の内線が交差していて、利用の便利な駅である。

 赤坂見附駅を利用する時、時間の調節など少し休む時に、駅に近いマクドナルド赤坂見附店をよく利用する。

 店内に入るとアメリカ人の利用者をよく見かける。
 中国人の姿も見かける。

 若いビジネスマンが、携帯のノートパソコンで、キーボードを叩いている姿も多い。

 春には、就職活動の就活スーツを着た男女の大学生が、履歴書を書いている姿をよく見かける。

 数ヶ月前は確かSサイズのコーヒーは120円であったと記憶していたが、140円になっていた。

     140
      ──── = 1.167                                            
     120

16.7%の値上りである。

 とはいえ、スターバックスの価格と較べれば、かなり安いことから、この安いコーヒーの価格に惹かれて、私は利用していることも事実である。

 Sサイズのコーヒーは140円であった。
 ビッグマックは340円であった。
 
 今年の夏、読売新聞(2011年8月21日付)に、「ビッグマックを物差しにすると・・・・」という記事が掲載されていた。著者は宮崎誠記者である。

 その記事は、英国経済誌「エコノミスト」2011年7月の号の発表記事を引用するものであった。

 マクドナルドの「ビッグマック」の各国の価格から割り出した指数から、為替レートを比較するものである。
 大意次のごとくである。

 「ビッグマック」の世界各国の価格は、下記の通りである。

   米国     4.07ドル
   日本    320円
   中国     14.7元 
      韓国    3700ウォン 
      ユーロ圏   3.44ユーロ

 各国の貨幣額を、米国の価格の4.07ドルで割ると、1ドル当りのビッグマックの価格が求められる。

   日本    320÷4.07 =78.62円
      中国    14.7÷4.07  =3.61元
      韓国    3700÷4.07  =909ウォン
      ユーロ圏  3.44÷4.07  =0.84ユーロ

 英国経済誌エコノミストの調査時点現在の1ドル当りの為替レートは、

    日本    76.50円
       中国     6.4元
       韓国      1090ウォン
      ユーロ圏   0.7ユーロ

である。

 上記のビッグマック1ドル当りの価格を調査時点の為替レートで除すと、為替レートが割高か、割安なのかが、ビッグマックの価格から割り出される。 下記の通りである。

   日本     78.62円÷76.50円 =1.028  
    中国           3.61元÷6.4元  =0.564
    韓国     909ウォン÷1090ウォン=0.834  
    ユーロ圏       0.84÷0.70    =1.20

 上記計算より、日本は、

      1.028−1.0 =+0.028 ≒+0.03        3%高い

ということになる。

 同様に計算すると、

    中国   0.564−1 =△0.436 ≒△0.44
        韓国      0.834−1 =△0.166 ≒△0.17
        ユーロ圏  1.20 −1 =+0.2

である。

 即ち、

   
    日本円は 3%高い
    中国元は 44%安い
    韓国ウォンは 17%安い
    ユーロ圏のユーロは 20%高い

と計算される。

 日本の1ドル=76円台のレートは、それ程高いレートではないということになる。

 上記円高3%の計算は、英国経済誌エコノミストが調査した時点の日本のビッグマック、為替レートの数値によるものである。

 私が入店利用した2011年9月26日時点の、赤坂見附マクドナルドのビッグマックの価格は340円であった。
 そして同時点の為替レートは、

     1ドル=76.62円

であった。

 アメリカでのビッグマックの価格は、4.07ドルとして、最近のビッグマック為替レートを計算すると、下記のごとくである。

     340円÷4.07ドル= 83.54円
     83.54円÷76.62円 =1.090

 ビッグマック為替レートは、1ドル83.54円で、現在の価格は6.92ドル円高で、割合では9.0%円高であるということになる。

 為替レートは他の多くの要因によって形成されており、ビッグマックの価格一つで決められるものではないという主張は当然ある。

 しかし、身近な商品で、手軽に分かり安く知ることが出来るビッグマック為替レートは、結果においてそれ程の誤差がある訳ではないことから、利用価値ある無視出来ないレートと私は思う。
 英国経済誌のエコノミストが考え出した手法と云われるが、良く考え出したものと、私は、そのオリジナル性に敬服すると共に、高く評価したい。

 ビッグマック為替レートを批判し、ケチをつける日本のエコノミスト、経済学者、経済雑誌は、世界に汎用通用する理論や経済分析のオリジナルなものを作り上げたのか。
 批判する前にオリジナルなものを作り上げろと云いたい。
 
 上記ビッグマック為替レートで、中国元は44%安いと求められた。
 私は中国元は、

         1ドル = 3元

にすべきであると、以前鑑定コラム390)「壊滅に近い瑞浪の窯業産業」(2007年11月23日発表)で述べた。

 やはり中国元は、ビッグマック為替レートから見ても著しく割安であり、経済合理性に甚だしく反するレートである。

 強い元であるにも係わらず、作為的に安い為替レートに粉飾されている元によって、中国商品の日本への輸出は停まらない。
 これによって、日本の産業はかなりの被害を受けている。
 日本産業の復活・再生・浮上を強く考えれば、1ドル=3元にレート改訂すべきであると、私は改めて主張したい。

 産業の自由競争とは、為替レートの自由競争も考えて、行うべきものでは無かろうか。


  鑑定コラム390)
「壊滅に近い瑞浪の窯業産業」

  鑑定コラム1427)「見附のマックは閉店していた」


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ