○鑑定コラム


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

田原都市鑑定の最新の鑑定コラムへはトップページへ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ

1411)シャープはどこへ行く  本社ビル、田辺ビルを売って

 シャープ株式会社が、本社ビルと道路を挟んで向かい側にある田辺ビルを売却したことを、平成27年(2015年)9月28日のシャープのホームページにプレスリリースした。

 売却した本社ビルと田辺ビルの概要等は、下記である。

  ・本社ビル
      大阪市阿倍野区長池町22-1
      土地   7,370.70u
      建物      27,386.30u

  ・田辺ビル 大阪市阿倍野区西田辺町1丁目186番他 土地   10,812.97u 建物 36,403.59u
  ・売却価格    188億1300万円
  ・帳簿価格    34億1500万円

 本社ビルと田辺ビルとは、町名が異なるが、道を挟んで対峙している。

 建物は古いであろうから、価格ゼロ円とすれば、売却価格は土地価格ということになる。

 両土地の合計面積は、

            7,370.70u+10,812.97u=18,183.67u

である。

 u当り土地価格は、

               18,813,000,000円
            ──────────= 1,034,610円                     
                  18,183.67u

103万円となる。

 そんなに高いのか。

 両土地の接面する道路に付設されている相続税路線価価格は、u当り270,000円である。

 前面道路を西方に行き、地下鉄西田辺駅を通り過ぎて、同駅より180mの地点に、大阪府の基準地である阿倍野5-3がある。

 その価格は、平成27年7月1日時点で、u当り395,000円(商業地域 容積率400%)である。

 相続税路線価の価格でなく、基準地価格で対象地の価格を考えるとする。

 基準地と対象地とを比較すると、駅からの距離はほぼ同じである。道路条件は同一道路沿であるから同じである。

 対象地の用途地域が分からないが、それは無視するとする。

 対象地の前面道路の価格は、u当り395,000円程度と判断される。

 地積大の要因修正を0.8とすれば、

           395,000円×0.8=316,000円≒320,000円

u当り320,000円である。

 これに面積を乗ずれば、

     320,000円×18,183.67u = 5,818,774,400円
                                  ≒58億円

58億円である。

 シャープ本社ビル、田辺ビルは、合計で58億円程度の金額になる。

 それがどうして188億円余の売買価格になるのであろうか。

 建物価格をゼロ円としたためなのか。

 しかし、帳簿価格は34億1500万円である。

 この価格の中には、土地価格も含まれている。建物価格のみで34億円を超えることは無い。

 考え直して、建物にも価格があるとする。

 帳簿価格の1/3が建物価格として、計算してみる。

         3,415,000,000円÷3=1,138,333,333円≒11億円

 11億円を建物価格とすれば、

     58億円+11億円=69億円

69億円が考え直し後の価格である。188億円の価格にはとても届かない。

 どうも私には分からない。

 西田辺駅勢圏の事務所賃料がどれ程か調べて見る。

 不動産業者の募集中の事務所案件が4つ程あった。下記である。面積50u以上とする。

   @ 西田辺駅徒歩1分   52u   坪当り6,900円 
   @ 西田辺駅徒歩8分   94u   坪当り6,500円 
   @ 西田辺駅徒歩1分   84u   坪当り4,300円 
   @ 西田辺駅徒歩4分   84u   坪当り5,600円 
          平均                 78.5u    坪当り5,825円

 レンタブル比を80%とする。

 賃借面積は、

           (27,386.30u+36,403.59u)×0.8=51,031.912u

51,031.912uである。

 坪当り換算すると、

           51,031.912u÷3.30578≒15,437坪

15,437坪である。

 月額賃料は、平均坪当り賃料に賃借坪当り面積を乗じて、

           5,825円×15,437坪=89,920,525円≒8,990万円

8,990万円である。

 年額賃料は、

           8,990万円×12=107,880万円

10億7880万円である。

 年間賃料10億7880万円である不動産を188億1300万円で売買されたのである。

 粗利回りは、

                10億7880万円
             ────────    =0.057                            
                188億1300万円

5.7%である。但しこの利回りは純収益に対するものでは無く、経費込みの賃料に対する利回りである。

必要諸経費率を30%とすると、還元利回りは、

       0.057×(1−0.3)≒0.04

4.0%である。

 中古ビルである。アベノミックスで不動産に金が出回っているとは云え、中古ビルであることから、この還元利回りの倍以上の利回りが必要なのではないかと私は思うが。

 やはり188億円余の金額の値付けの理由が私には分からない。
      

 不動産価格の話から話題を変える。

 シャープは、本社ビル等を手放すまでに何故なったのか。

 液晶テレビ等で景気よく、三重の亀山工場、大阪の堺工場を建てていたあの勢いはどこに行ってしまったのか。

 2015年3月期の決算は、

    売上高    2兆7862億円 
        営業損失      480億円の赤字

である。

 最近発表された2015年4月〜9月の6ヶ月の決算は、

    売上高    1兆2796億円 
        営業損失      251億円の赤字

である。

 どうしてここまで業績が落ちてしまったのか。

 韓国の企業と甘い業務提携を行い、企業秘密であるべき技術ノウハウがタダ同然で韓国企業に渡ってしまい、その韓国企業が製品を大量生産し、安い価格で世界に売りまくり、シャープの市場を奪ってしまったということか。

 性善説の日本人の甘い考えを、韓国人に上手く利用されてしまったようだ。

 甘い、甘い人の良い日本人の姿を見せつけさせられる。

 性善説の考えを日本人は捨て去るべきであろう。


  鑑定コラム1466)
「物産、商事も赤字に」

  鑑定コラム1668)「最近の発表記事がさっぱり20位内に入らない(2017年7月アクセス)」


フレーム表示されていない場合はこちらへ トップページ

前のページへ
次のページへ
鑑定コラム全目次へ