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23)ある工場地の地代

 千葉県のある市の15,000平米の工場地が貸地募集しているものとする。
 その地代を推定する。

 千葉県内の工場の出荷額は9,795,281百万円である。工場ののべ床面積は19,846,500平米である。これより工場1平米当りの工場出荷額は49.35万円である。

 工場の建物面積は、敷地の余裕を見て、土地面積の20%とする。建物面積は、
    15,000平米×0.2=3,000平米
である。

 その工場の出荷額、即ち売上高は、
     49.35万円×3,000平米≒148,000万円
である。

 中小企業の製造業の売上高に対する営業利益率は平均4.0%(標準偏差4.3)である。
 標準偏差1倍加算の優良企業を考えて、営業利益率は、
    4.0%+4.3% =8.3%
とする。営業利益は、
    148,000万円×0.083 =12,284万円
である。

 不動産配分利益は21%とする。( 『賃料<家賃>評価の実際』 p429 清文社)

 土地価格は、工場地のある市の住宅地の地価公示価格の平均が平米当り117,600円とする。
 工場地で地積大であることを考え0.5の修正を行う。
   117,600円×0.5 ≒ 59,000円
 
 建物価格は平米当り6万円とする。
 機械装置は建物価格と同額とする。

 不動産配分利益21%に占める土地の配分利益は、
  土地価格 59,000円×15,000平米≒88,500万円
  建物価格 60,000円×3,000平米≒ 18,000万円
  機械装置 建物価格と同額 18,000万円
   計 124,500万円

88,500万円÷124,500万円 ≒ 0.71
       21%×0.71 = 14.9%
である。

 土地配分利益は、
   12,284万円×0.149 = 1,830万円
   1,830万円÷12ヶ月 ≒ 153万円
153万円である。
 即ち、月額地代は153万円と求められる。

 土地価格に対する地代の割合は
     1,830万円÷88,500万円=0.0206 ≒2.1%
である。

 他方、固定資産税より地代を検討する。
 課税標準額修正率を0.3とする。
    59,000円×0.3=17,700円
    17,700円×15,000平米×0.014=3,717,000円
    3,717,000円÷12ヶ月=309,750円
 月額309,750円が公租公課である。

 新規地代であることを考え、公租公課の5倍を地代とする。
     309,750円×5 ≒ 154万円
 固定資産税より推定すると、月額地代は154万円である。

 工場の生産性より分析された千葉県の15,000平米の工場地の地代、地代利回りは、
月額  150万円程度(平米当り100円)
地代利回り  2.1%程度
である。

 工場地の地代の求め方の一つの紹介である。
 実際には工場の損益計算書、貸借対照表 、固定資産税公課証明の数値によって求めることになる。


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