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2479) 住宅の平均耐用年数は37.5年(2021年度)

 一般社団法人住宅生産団体連合会(会長 芳林敬一大和ハウス工業株式会社代表取締役社長)が、『2021年度戸建注文住宅の顧客実態調査』を、2022年9月15日に発表した。

 2021年度調査によると、建て替えるまで住んでいた住宅の平均築年数は、37.5年であった。

 前年度の2020年度は、39.0年であった。2019年度は39.7年であった。2018年度は39.4年であった。

 過去の平均築年数から、平均築年数は39年、或いは、40年になるのでは無かろうかと期待していたが、期待が全く外れ、住宅平均築年数は37.5年と縮まってしまった。

 木造の平均築年数、経済的耐用年数40年は無理なのかと思いたくなってしまった。

 過去の同団体の調査による建築経過年数を記すと、下記である。

            2008年度          33.0年
            2009年度          34.0年
            2010年度          34.3年
            2011年度          36.4年
            2012年度          36.4年
            2013年度          38.3年
            2014年度          36.2年
            2015年度          38.3年
            2016年度          36.8年
            2017年度          37.0年
            2018年度          39.4年
                2019年度          39.7年
                2020年度          39.0年
                2021年度          37.5年

 2021年から37.5年前というと、
             2021年−37.5年=1983.5年≒1983年
1983年、元号で云えば昭和58年である。

 1983年(昭和58年)がどういう年であったか。ネットのウイキペディア等から振り返って見る。

 世界的な出来事で見ると、大韓航空機撃墜事件が起きている。大韓航空機がソ連の領空侵犯したとして、ボーイング747がソ連軍に撃ち落とされた。乗員・乗客264人全員死亡の事件である。(9月)

 国内に目を向けると、時の首相は中曽根康弘である。出来事は次のごとくである。

 4月にデズニーランドが浦安市に開園した。

 思いだしたく無い事件が6月に起きた。不動産鑑定士が引きおこした事件である。

 不動産鑑定士が、不動産競売で落札した練馬区大泉学園の家屋の居住者を立ち退かせようとしたが、入居者が立ち退かないと云って、入居者一家5人を惨殺した事件が起こった。

 テレビ・新聞が大々的に報道した。

 不動産鑑定士は裁判所の競売不動産の最低価格の鑑定評価はするが、落札物件の明渡立退業務は、業務で無く、その業務の知識も無く、行わない。

 何と云うことをしたのかと私は驚き激怒した。

 思いだしたく無い事件であるが、1983年に起こった事件として不動産鑑定士が引き起こしたとんでもない事件であり、無視することは出来ない。

 映画は、日本映画では、「南極物語」、「楢山節考」、洋画では、「ET」、「スター・ウオーズ ジュダイの逆襲」がヒットした。私も全て見た。

 校野球は春の選抜は、徳島県の蔦監督率いる池田校が、水野雄仁の投打の活躍で優勝する。夏の大会は、PL学園が1年生の桑田真澄の好投で優勝する。

 歌は世につれ、世は歌につれであるが、1983年に流行った歌は、細川たかしの「矢切の渡し」であった。

 テレビのどのチャンネルも「矢切の渡し」のメロディが流れ、うんざりしたことを思い出す。

 矢切の渡しを私が知ったのは、校時代だったか若い頃読んだ伊藤左千夫の『野菊の墓』という短編小説だった。

 その小説は、次の文章で始まる。

****


 後の月という時分が来ると、どうも思わずには居られない。幼い訣とは思うが何分にも忘れることが出来ない。
 もはや十年余も過去った昔のことであるから、細かい事実は多くは覚えて居ないけれど、心持だけは今なお昨日の如く、その時の事を考えてると、全く当時の心持に立ち返って、涙が留めどなく湧くのである。
 悲しくもあり楽しくもありというような状態で、忘れようと思うこともないではないが、寧繰返し繰返し考えては、夢幻的の興味を貪って居る事が多い。
 そんな訣から一寸物に書いて置こうかという気になったのである。
 僕の家というのは、松戸から二里ばかり下って、矢切の渡を東へ渡り、小高い岡の上でやはり矢切村と云ってる所。矢切の斎藤と云えば、この界隈での旧家で、里見の崩れが二三人ここへ落ちて百姓になった内の一人が斎藤と云ったのだと祖父から聞いて居る。
・・・・・・・・・・・・・

(青空文庫 伊藤左千夫の『野菊の墓』)

****


 東京に出て来て、『男はつらいょ』の柴又の寅さんの町を訪れた。そして、矢切の渡し舟で江戸川を渡り、伊藤左千夫の短編小説『野菊の墓』の舞台の現地を訪れた。



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  鑑定コラム1819)
「住団連 建替建物の平均築年数は37.0年(2017年度)」

  鑑定コラム1998)「「いい日旅立ち」の流行った年に建てた建物が寿命を迎えた(耐用年数39.4年)」

  鑑定コラム2186)「住宅の平均耐用年数は39.7年(2019年)」

  鑑定コラム2234)「『北の国から』の俳優田中邦衛氏が亡くなる」

  鑑定コラム2306)「住宅の平均耐用年数は39.0年(2020年)」

  鑑定コラム2663)「住宅の平均耐用年数は37.2年(2022年度)」


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