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290)サッカーワールドカップ・ドイツ大会は終わった

 4年に一度の全世界のサッカーファンを熱狂させるワールドカップ2006年は終わった。

 今年、2006年はドイツで行われた。
 4年前は、日本・韓国で開催された。

 前評判ではブラジルの連覇であろうといわれていた。
 ブラジル代表チームは、スペインのバルセロナで活躍するロナウジーニョを中心とする最強のチームといわれていた。

 しかし、ブラジルはベスト4に進むことが出来なかった。
 今、世界最強のクラブチームといわれているバルセロナで、そのチームの中心となって光り輝いていたロナウジーニョが、ブラジル代表チームの一員になった途端、全く目立たなくなってしまった。

 ロナウジーニョがブラジル代表チームを引っ張って行くと思っていたが、それが見られなかった。いささか失望した。

 決勝戦はフランスとイタリアで争った。
 イタリアがPK戦の末、勝った。
 優勝トロフィーをかざすカンナバロ、トッティの姿をテレビの映像は写す。
 しかし、このドイツ大会決勝戦は後味の悪いものを残した。恐らくサッカー史上、長く語り継がれるであろう。「ジダンの頭突き事件」として。

 得点1対1の延長戦後半5分過ぎた頃、ジダンとイタリアのディフェンダーが陣取りをして居て、何か言い争いをしていた。二人言い合いながら歩いていた。ジダンが離れ2,3m前に行きかけた途端、急に戻り、イタリアのディフェンダーの選手に頭突きを食らわした。イタリアのディフェンダーの選手は後転した。

 そして、ジダンにレッドカードが出され、ジダンは退場となった。
 フランスは一人少ないながらも、得点1対1のまま延長戦を終え、PK戦に持ち込んだが、一人外して負けた。

 ジダンは、イタリアのディフェンダーの選手のどんな言葉に怒り、レッドカード退場となる頭突きをしたのか。

 世界のマスコミは、二人の会話を、映像からの読唇術を駆使して読み取ろうとしている。

 ドイツ大会を全て見た訳ではないが、私が衛星テレビ放送で見たゲームの中で最も印象に残った選手は、ポルトガル代表のFWの背番号17を附けていたクリスチアーノ・ロナウドという選手だった。1985年生まれと聞くから、まだ21歳のフオワードだ。
 フィーゴの後を継ぐポルトガル代表の顔になる人では無かろうかと私は感じた。

 ジーコ監督の率いる日本代表チームは、アジアの地区を勝ち抜き、ドイツ大会に出場した。
 しかし、予選リーグで初戦オーストラリアに負け、2戦目クロアチアに引き分け、3戦目ブラジルに完敗して、予選リーグで敗退した。

 今回の日本代表チームは、中田英寿の率いるチームと呼ばれて、決勝トーナメントには進むであろうと予想されていたが、その予想は贔屓目に見た甘い予想であった。

 予選リーグ最後のブラジル戦に負けて、ゴール前で中田英寿は仰向けに倒れ、タオルを目にして長い間動かなかった。
 負けた悔しさで湧き出る涙を覆っていたのであろうか。

 中田以外誰もいないゴール前のピッチで、一人仰向けに倒れ、タオルで目を覆っている中田の姿を、反対側のゴール裏のスタンド中段から広角のロングショツトで写したならば、素晴らしい名ショットの写真になるのだがと、テレビの中田の仰向けの姿を見ながら、私は思った。

 中田英寿は、翌日サッカー引退を表明した。サッカーに燃え尽きた秀でた男のこれが引き際か。29歳である。

 ジーコも日本を去った。
 ジーコは日本のサツカーのレベルを引き揚げてくれた。今大会でも選手を大人として扱い、持てる力を引き出そうとしてくれた。
 ジーコの働きに感謝する。

 ただ一つ私には物足りなさを感じる。
 オランダで活躍する若いストライカーの平山を、フランスでレギュラーで活躍する若いMFの松井を、次の4年後を背負う人を育てる意味で、二人に機会を与えて欲しかった。

 ドイツ大会で日本代表チームの弱点、弱さ・基礎技術の未熟さがつくづく分かった。
 アジアで通用しても、世界で通用しないサッカーをやっても仕方がない。

 まず体格面で、ゴールキーパー、センターフォワード、センターバックの3人には、身長1.9メートル以上の人が絶対必要だ。

 体力面ではまず走れ。1ゲームの走行距離15qを賢く駆け抜ける体力をつけろ。

 技術面では、どんな速さのパスであれ、パスされてきたボールをぴたりと足で止めろ。ボールをはじくな。
 胸で受け止める場合は、どんな速さのボールであれ、ボールを胸から足元にすとんと落として、ボールを確実に足元に制御せよ。
 プロと自認するならば、この程度のボールさばきの基本中の基本をマスターして代表になれ。

 ディフェンダーは勿論、守備する時は、攻める側と共に後ろにずるずると安易に下がって守ろうとするな。

 FWは、ゴール前で味方MFからパスされたボールをバックパスするな。FWがゴールを狙わなくて誰が点をとるというのだ。FWはボールをキープし、相手デフェンダーを攪乱させて、ゴールに向かって常にシュートする技術を身につけよ。バックパスなどするFWは、FW失格だ。

 私はサッカーに対して全くの素人である。
 攻守1対1に全く弱い日本の代表達は、どういう練習をしているのか知らない。
 ドイツ大会の結果を見て想像するに、練習の為の練習しか行っていないのでは無かろうかと思ってしまう。

 間隔5メートルラインを引き、その中で1人対1人の攻守ボールの取り合いの練習を徹底的に行え。攻撃側がボールを奪われずに5メートルラインを越えたら勝ち、守備側がボールを奪ったら勝ちとし、その勝ち負けの採点記録をつける。Jリーガー全員にこれを攻守繰り返し練習させ、採点記録で技の優劣を判断すれば、勝ち点の多い上位10人は自ずから絞られるであろう。それが日本代表候補の人になるのだ。負けの多い人を代表に選ぶな。

 その10人であれば、守備でずるずると後退することなく、攻撃側を食い止め、逆にボールを奪うことになり、ゲームの組み立ても異なってくることになろう。

 FW、攻撃MFのシュート練習は、ゴール前に、高さ2mほどの人形を5つランダムに置き、あらゆる方向からゴールのネットを揺らす練習を繰り返せ。距離も10m〜25mで行え。人形に当たって跳ね返ったら失敗だ。その成功、失敗も全て記録に残せ。記録に残された成功率の高い人が、FWになり攻撃MFに選ばれ、その上でより高度のサッカー戦術の技術を磨けばよい。

 無人のゴールにボールをけり込んで喜び、満足している練習方法など、どれだけ繰り返して行っても実戦には全く役に立たない。

 欧州のサツカーレベルから見ると、相撲で例えれば、横綱と前頭10枚目の差が日本代表にはあるとドイツ大会を見て感じた。日本代表チームの奮起と成長を期待する。


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