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339)GDPは500兆円

 国内総生産(GDP)は、内閣府が発表する数値である。
 GDPとは何かということは、それについて詳しく解説したものがあろうから、そちらに譲る。

 政府内閣府の発表するGDPの数値がよく変わる。変わる理由が存在するから変えるのであろうが、過去の数値まで遡って変わってしまうから始末が悪い。
 10年前の10兆円は10兆円と私は思うが、それが11兆円の数値に変わるのである。

 名目GDPは、その時のインフレ或いはデフレの状態での生活・生産を反映した金額であり、後日変更される数値とは私は思わないが、それが変更されるのである。

 現在100円のハンバーグを買って生活しているのである。
 現在ハンバーグの100円が、後日、100円では無く110円でしたとどうして名目GDPが変更されるのか。
 実質GDPが後日変更されることは分かるが、インフレ・デフレを全て含めた名目の金銭の世界で生きている現在の価格が、後日になってあれは間違いでしたというごとく何故変更されるのか。私にはどうも分からない。

 現在の発表数値も、数年したら変わってしまうのではなかろうかと思うと、発表数値そのものが信頼出来なくなる。

 現在(2007年3月1日)の確定値として、政府内閣府が発表しているGDPの名目と実質の数値は下記の通りである。
 名目GDP、実質GDPとはどういうものかという疑問があるかもしれないが、それについても詳しく解説したものがあるから、その疑問もそちらに譲る。

                         名目(兆円)     実質(兆円)
      平成6年度      487.0     470.8
      平成7年度      496.4     482.7
      平成8年度      508.4     496.9
      平成9年度      513.3     496.8
      平成10年度      503.3     489.4
      平成11年度      499.5     493.0
      平成12年度      504.1     505.6
      平成13年度      493.6     501.6
      平成14年度      489.8     507.0
      平成15年度      493.8     517.6
      平成16年度      498.2     527.8
      平成17年度      503.3     540.4

 実質GDPの基準年は平成12年暦年価格である。

 平成18年の暦年(18年1月〜12月)数値は、名目GDPが507.5兆円、実質GDPが548.1兆円である。

 私は、GDPは不動産の価格形成の経済的要因の最重要視すべき要因であると思う。

 不動産はあらゆる産業の地盤であり、土地無くしては産業は成り立たない。
 その上、不動産業自身もGDPを形成する大きな産業である。
 不動産業のGDPに占める金額、割合は、平成17年暦年のGDP(501.4兆円)では、金額は60兆円であり、割合は約12%である。

 これだけの存在感が有り、影響力あるものを、不動産の価格形成要因から無視して、不動産価格を求めることは出来ないハズである。

 だが、現在の『不動産鑑定評価基準』は、GDPを不動産価格形成要因に含めていない。無視している。
 現在の『不動産鑑定評価基準』は、少しおかしいのではないかと私は思う。

 この点については、以前、この鑑定コラムでも指摘したが、再度繰り返し指摘しておきたい。

 桐蔭横浜大学の不動産鑑定評価の講義を受ける学生達に対して、
 「君たちの大学生活を過ごした時の日本、現在の日本の経済力は、GDP500兆円の時代であるということを、しっかりと頭に入れておくように。

 現在の君たちが見聞きし、感じている生活、経済環境の状態が、GDP500兆円という経済力水準の姿である。

 自分が大学生の時は、日本経済のGDPは500兆円であったことを、卒業しても絶対忘れないように。

 時代を比較するには、GDP(昔はGNPの数値を使っていた)の数値を使って比較するのが非常に分かり易い。国際比較する場合にもGDPを使うことによって、他国との経済力の比較が出来る。

 講義する私の大学生の時の日本のGNP、その頃はGDPの数値ではなくGNPの数値であったが、そのGNPは30兆円であった。

 30兆円の時代とはどういう状況かと言えば、1つの例で言えば、国道の大半は舗装されていない状況であった。」
と述べた。

 私の平成18年4月からの1年間の最後の講義で学生に伝えたことは、不動産鑑定士の倫理に付いての話と、このGDP500兆円についてであった。

 私の講義を受けた学生が、自分達の大学生の頃の日本のGDPは500兆円であったということを、一生覚えていて、それを尺度にして物事を判断して、人生を歩んでくれればと願っている。


 上記で述べたGDPと『不動産鑑定評価基準』については、下記の鑑定コラムの記事があります。
  鑑定コラム286)「GDP・GNPは不動産の価格形成要因ではないのか」


 国内総生産については、下記の鑑定コラムの記事があります。
  鑑定コラム55)「名目国内総生産と当座預金残高」

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