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703) 建付減価は建物解体費相当が限度では無いのか

 土地の宅地の類型として、更地と建付地に区分する場合がある。

 更地とは、当該地上に建物が建っていない未利用の宅地をいう。
 建付地とは、宅地のうち当該地の上に土地の所有者と同じ同一所有者の建物が建っている状態の土地をいう。

 その建付地にあって、建物が建っていることによって、当該土地の価格が減価されることを、建付減価という。

 当該土地が最有効使用の状態に土地利用されている場合には、建付減価は発生しないが、最有効使用の状態に土地利用されていない場合に、時として建付減価が発生する場合がある。

 例えば、容積率400%の近隣商業地域にあって、周辺は4〜6階程度の事務所、店舗、マンションの土地利用されているとする。この土地利用の状況が最有効使用の状態と思われる。

 そうした地域で、同じ道路に面して、古い築40年程度の木造2階建の居宅、或いは店舗が建っていた場合、この土地は最有効使用の状態に土地利用されていないと判断され、当該土地には建付減価が発生していると、一般的には判断される。

 当該土地の価格の更地価格が8000万円(坪当り400万円、20坪)とする。
 建物の面積は30坪とする。

 この建物の解体費を坪当り5万円とすると、解体工事費は、

      5万円×30坪 = 150万円

である。

 建付減価は150万円であり、土地価格は、

      8000万円−150万円 = 7850万円

となる。

 ある不動産鑑定評価書があった。
 建付減価の修正として、更地価格の30%としていた。
 建付減価は、

      8000万円×0.3 = 2400万円
 
である。

 土地価格は、

      8000万円−2400万円 = 5600万円

と求められていた。

 30%の建付減価、金額にして2400万円の土地価格減価は、あまりにも巨額な建付減価では無かろうか。

 土地の最有効使用が阻害されているとするならば、建物を解体撤去して更地化すれば良いことである。そうすれば建付減価は消滅し、建付減価の2400万円はゼロになる。

 更地化して、土地利用の最有効使用の建物を建てれば済むことであろう。

 建物を解体撤去すれば建付減価2400万円がゼロになり、更地と成り、更地になれば土地価格は8000万円と云うことになると考えれば、2400万円の建付減価は過大過ぎると考えられよう。
 建付減価の限度は建物解体費相当額である。

 建物賃借人が居ることによる土地利用の阻害を考えて、それを建付減価としたのだとすれば、それは建付減価では無い。別の要因のものである。
 それは、借家権による修正である。

 建付減価と借家権による価格修正とは、根本的に異なる概念である。

 なお、賃料評価においての基礎価格には、建付減価、建付増加の要因による土地価格修正は無い。
 建付減価と賃料の基礎価格の価格修正とは、これまた全く概念の異なるものである。
 賃料の基礎価格を建付減価で行って求めるものでは無い。
 

  鑑定コラム1061)建付減価40%をした基礎価格?

  鑑定コラム2245「建物等取壊費用の積立金」は償還基金率で求めるべきではないのか」


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