地代を求める場合に公租公課倍率法という手法がある。
公租公課倍率法は『鑑定評価基準』では手法として明記されていない。
しかし、継続賃料の手法を4つ示しているが、最後の「賃貸事例比較法等」と「等」と記してある。
これは4つの手法以外にも、評価手法があることを示しており、公租公課倍率法はその中の1つの手法ではないかと思う。
地代のスライド法の求め方は、純賃料に消費者物価指数の変動率を乗じ、必要諸経費である公租公課を加算して求める手法である。
消費者物価、公租公課の上昇が落ち着いていれば問題は生じないが、消費者物価の変動率よりも公租公課の上昇額が著しく高い状態が続くと、おかしな現象が生じてくる。
例えば、坪当り1,000円の地代があるとする。
その内訳をみると、純賃料が150円で公租公課が850円という地代が出現する現象が生じた。
それは公租公課が毎年10%程度上昇し、消費者物価変動が2年間で3%程度の上昇という状態がしばらく続けば、当然そうした現象が生ずる。
この純賃料と公租公課のおかしな割合関係を是正する為には、公租公課倍率法による地代分析が必要である。
平成6年に、私は主として平成2年、3年の東京地方裁判所借地非訟事件鑑定委員会の付随処分のデータによって「地代と公租公課の関係について」(『東京鑑定会報』第44号、(社)日本不動産鑑定協会東京会)の論文を発表した。
その後、時間が経過し、その地代倍率は、地代の変動、固定資産税の変動によって倍率も変化してきてやや即応しなくなってきた。
その後の地代の変動、固定資産税の変動を調査し、平成15年現在の地代の公租公課倍率を分析してみた。
その倍率は以下の通りである。
公租公課 地代倍率
月・坪円
100〜120円 6.4
121〜140円 5.9
141〜160円 5.5
161〜200円 5.1
201〜240円 4.7
241〜280円 4.4
281〜320円 4.1
321〜400円 3.9
401〜500円 3.7
501〜600円 3.5
601〜800円 3.3
801〜1.000円 3.2
1,001〜1,500円 3.1
1,501〜2,000円 2.9